中国のアリババグループ傘下でオンラインモールを運営するラザダは、アジアのライバル企業に対抗し、欧州の一流ファッション・デザインブランドを誘致している。2030年までに1000億ドル(約14兆8700億円)の電子商取引目標の達成につなげたい考えだ。

ラザダの経営陣は最近立ち上げたプラットフォーム「LazMall Luxury」を通じた東南アジア進出に関心を持つ100余りのイタリアブランドの創設者や経営者と今週、ミラノで会談した。アルマーニやドルチェ&ガッバーナ(D&G)、フェラガモ、トッズなどが参加したと、最高事業責任者のジェイソン・チェン氏はブルームバーグ・ニュースに語った。

東南アジアのオンライン商取引市場は25年までに1860億ドルに達すると予想され、今回の誘致はシー傘下のショッピーや、バイトダンス(字節跳動)のTikTok(ティックトック)、PDDホールディングスに対抗する取り組みの一環。TikTokとショッピーは特に、インドネシアやシンガポールといった主要市場で、販売業者や買い物客の激しい争奪戦を繰り広げている。

チェン氏はインタビューで「ラザダは収益性と商業化、長期的利益を優先する電子商取引の新たな発展段階に入るのに当たり、事業拡大の準備ができている」と説明。「高級品セグメント拡大の推進は、当社のブランドポジショニングを強化する中で、こうした取り組みをさらに後押しするものとなる」と語った。

ラザダとアリエクスプレスは、中国国外におけるアリババグループの中心的ビジネスで、最も成長の著しい部門となっている。

中国政府による長年にわたる締め付けから回復しつつあるアリババは新たな経営陣の下、アジア地域での拡大を進めている。特に中国が景気低迷に見舞われているため、東南アジアはインドや中東とともに、世界で急成長している高級品市場の一つと見なされている。チェン氏は、高級品需要がアリババの取り組みの鍵を握っていると指摘した。

原題:Alibaba’s Lazada Wants Armani, D&G to Help Hit $100 Billion Goal(抜粋)

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