(ブルームバーグ):日本銀行が10日公表した「生活意識に関するアンケート調査」(9月調査)によると、5年後の物価が「上がる」と回答した人の割合が前回の6月調査から増加した。家計の中長期のインフレ期待はしっかりした動きが続いている。
5年後に物価が「上がる」との回答は83.6%と前回調査の82%を上回り、5年ぶりの高水準。1年後は「上がる」が85.6%で、16年ぶりの高水準だった前回調査の87.5%から減少した。物価上昇率の予想中央値は、1年後が8.0%上昇に低下する一方、5年後は5.0%上昇と過去最高水準を維持した。
植田和男総裁は9月24日の講演で、基調的な物価上昇率は「2%に向けて徐々に高まっている」との認識を示した。調査期間中(8月8日-9月3日)に外国為替市場で大幅な円安修正が進行したが、物価の基調の重要な要素であるインフレ期待に大きな変化は見られていない。
景況感は「良くなった」が6.9%に減少したものの、「悪くなった」も55.1%に減少し、景況感DIはマイナス48.2に改善した。暮らし向きは「ゆとりが出てきた」が5.3%に増加する一方、「ゆとりがなくなってきた」が52.7%に減少した結果、暮らし向きDIはマイナス47.4に改善した。
- 1年後の物価変化見通しは平均値プラス10.0%(前回はプラス11.5%)、中央値プラス8.0%(同プラス10.0%)
- 5年後の物価変化見通しは平均値プラス7.9%(同プラス8.7%)、中央値プラス5.0%(同プラス5.0%)
- 1年後の景況感DIはマイナス29.6(同マイナス32.4)
(詳細を追加して更新しました)
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