大手米銀の銀行資本要件引き上げを大幅緩和する規制当局の計画が、連邦預金保険公社(FDIC)の抵抗に遭っている。

米連邦準備制度理事会(FRB)が先週示した最新の修正案に、FDIC理事5人の中で少なくとも3人が反対していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。FDICのヒル副総裁ら共和党メンバー2人に加え、民主党のチョプラ理事も今回の変更案に反対しているという。

パウエルFRB議長は18日の記者会見で、他の機関からの賛同について問われると、2025年前半に大規模なパッケージをまとめるという目標を掲げ「一丸となって進んでいる」と述べた。しかしFDICで超党派の反発があったことにより、銀行規制3当局の足並みがそろうまでにどれだけの期間、および何が必要となるか再び疑問が生じている。

チョプラFDIC理事(左)とパウエルFRB議長(右)

消費者金融保護局(CFPB)の局長でもあるチョプラ氏は、資本要件引き上げの大幅削減について、ウォール街の銀行への贈り物に近いとの考えを非公式に示していると、関係者らは話した。共和党のマッカーナン理事はこれまで、明確な「ノー」回答だとしており、部分的ではなく全面的な再提案を求めている。

ヒル氏とチョプラ氏の報道官はいずれもコメントを控えた。FRBとFDICの報道官もコメントを差し控えた。

原題:Fed’s Relaxed Bank-Capital Plan Faces Bipartisan FDIC Pushback(抜粋)

--取材協力:Reade Pickert.

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