日本ではウクライナ避難民らによる集会が開かれました。避難生活が長期化するなか、参加者からは困難となっている「帰国」への葛藤も聞こえてきました。

上村彩子キャスター
「国旗を掲げているのはウクライナから日本へ避難してきた人たちです。平和への訴えを、ごらんのようにたくさんの方が足を止めて聞き入っています」

きょう午後、東京・渋谷の駅前には100人以上のウクライナ避難民らが集まり、軍事侵攻による犠牲者に黙祷を捧げました。

集会に参加したのはウクライナ北東部、スーミ州出身のユリーヤさんです。もともと日本にいた兄を頼って軍事侵攻が始まった翌月、母親とともに、日本へと逃れました。避難生活は2年近くに及んでいます。

ユリーヤ・ナウメンコさん(31)
「(Q.早くウクライナに帰りたいですか)非常に難しい質問です。戦争が終わってもしばらく日本にいて、こちらから国をサポートしたほうが良いかもしれないと考えています。日本での仕事もありますから」

故郷の町は一時ロシアに支配され、大きく破壊されました。ユリーヤさんは「当面の帰国は難しい」と考えていますが、今も、故郷のことは頭から離れないといいます。

ユリーヤ・ナウメンコさん(31)
「私たちが経験したことをプーチンやロシア人にも感じてほしい。日に日に状況は悪くなってます。世界が一緒になって『悪』と立ち向かうべきだと思います」

侵攻後、日本へと逃れたウクライナ避難民は2000人以上。

最近行われた調査では、長期の滞在を希望する避難民は、回答者のおよそ4割と1年前に比べ急増していて、多くの人にとって帰国が困難となっている状況が伺えます。

「私たちウクライナ人は『二度と家に帰れないのでは。国がなくなってしまうのでは』という恐怖とともに生活しています」

多くの避難民にとって先の見えない状況が続いています。