10年前、私財を投じ町内の広場に、ある石碑を建てました。

「私の心もここの中に入っています。やはり戦争をやってはいけんという心がね」
訓練中の不慮の事故で町内の海で発見された人間魚雷「回天」の搭乗員の慰霊碑です。
町の職員をしていた時代に遺族と出会ったことがきっかけで、搭乗員の供養と記憶の伝承のため20年がかりで必要な資金を集めました。
「戦争がいかに惨めなのかという事をよくわかりましたし、自分もそれを体験した経験がありますから。この碑を通じて皆さんに戦争の惨めさというのを伝えられたらということで」
自分のことよりもまずは周りの人々のために。
その思いが原田さんを突き動かしています。
「お客さんは神様」とかたる原田さん。
元気の秘けつは優しい心にあるのかもしれません。
「人からかわいがられるような天ぷら屋になりたいと思いますね。いま、やはり競争の激しい時代ですからいいものはいいものらしく、作るというのが私たちの信念ですから」
「1人でも多くの人に味わってもらいたい」
これからも体が動く限り第一線で働き続けるつもりです。