マスク着用緩和の流れの中、文部科学省は卒業式についての基本方針を示しました。

入退場や式辞、卒業証書授与、送辞や答辞については「マスクをはずして差し支えない」。
校歌斉唱などは、「一定の感染対策を講じる」としています。
どう対応するのか、各学校の判断が注目されますが、防府市の高校では、3年ぶりにマスク無しで実施することを決めました。

司会「マスク着用については保護者のみなさまは各自でご判断ください卒業生および、ステージ上の関係者はマスクをはずして参列します」
防府市の高川学園高校。
来月5日の卒業式を前に、きょう、3年生によるリハーサルがありました。
去年とおととしはマスク着用。
リハーサルも着用ですが、今年の本番は、「原則」、「マスク着用なし」に踏み切りました。
高川学園高校 渡邉篤夫校長
「子どもたちが、学校行事もなくなって、おもしろくないというふうな思いもずっと抱えながらでもそれぞれが部活動に勉強に一生懸命励んできた3年間であったと。「その締めくくりとして卒業式がマスクがない形で表現できたら一生思い出に残る卒業式になるんでないかなと」

岸田総理
「国歌などの斉唱や合唱の時を除き児童生徒と教職員はマスクを着用しないことを基本としたいと思っています」
岸田総理は今月10日、卒業式についてマスク無しを基本とする方針を明らかにしました。
高川学園によると先月、山口市と防府市にある高校の校長が集まる会合がありました。
その席で、卒業式の感染対策について情報を交換しましたが…
高川学園高校 渡邉校長
「その時には、来賓をどうするか校歌はなしにするとかそういった情報交換でありまして、マスクについてのことは、全くなかったなかったと言うことはどこの学校もマスクするのは当たり前と」
「マスク無し卒業式」ができないか、検討を繰り返していた中で総理の発言が弾みをつける形となりました。
それでも、感染対策には気を配ります。
校歌斉唱はなく、CDで。来賓は呼びません。
一方で、1人あたり1人に制限していた保護者の参列を2人まで認め、保護者のマスクは個人の判断に委ねます。

部活動の先輩を見送る在校生も参列予定で、1000人収容の講堂は9割程度埋まる見込まれます。
消毒や検温、発言する場合のついたては継続します。
生徒
「こういった難しい状況の中で感染症対策のために多くの方々が動いてくださって、こうしてマスク無しで卒業式を迎えられたことに深く感謝しています」

「最後笑顔で終わりたいって気持ちがあるからそういうのも感じられる卒業式になると思うので、マスクをはずすって言うことはすごくいいことだと思うしすごく感謝しています」

「たぶんたくさん考えられたと思うんですけど、最後自分たちがお互いに表情見合ってできるって言うことはすごく感謝したいし顔が見えることでみんなが笑顔になれるはずなので、それはとてもうれしいです」

県教委は今回の文科省の方針を受けて知事の意見も踏まえながら各学校に方針を伝えたいとしていますが最終的には各学校がそれぞれの事情を考慮しながら校長が判断を下すとしています。
ただ、学校によってはそう簡単に判断できない、事情もあるようなんです。

tysが取材した県立高校の校長は「受験を控えた生徒が大勢いる」として不安要素を取り除くためにも「卒業式はマスク着用になるのでは」と漏らしました。
ほかの学校の動向を見ながらの判断になりそうで、まだ、答えを探している途中のようでした。
高川学園では、式の間で「卒業生が声を出す機会はない」といったあたりを判断の参考にしたということです。
「原則」マスク無しも強要するものではなく、それぞれ、参列者の判断に委ねるとしています。













