防衛省が山口県山陽小野田市で建設を進めていた宇宙監視レーダーが完成し、運用が、今月3日から始まったことがわかりました。

宇宙監視レーダーは、防衛省が山陽小野田市埴生の海上自衛隊山陽受信所跡地に設置したものです。

宇宙利用の優位性を確保するなどの目的で、2020年に新設された「宇宙作戦隊」が運用します。宇宙ごみや不審な人工衛星を監視するため、直径およそ13メートルのパラボラアンテナ6基を建設しました。

指揮・運用は東京都の府中基地が、施設の管理は山口県の防府北基地が行っています。

このレーダーの設置を巡り、これまで地元では何度も住民説明会が開かれてきました。

防衛省は安全性について「電波は人体に影響を及ぼすおそれがないと確認されている」などと説明。
住民からは「レーダー基地が攻撃対象になるのではないか」、「住民に対して影響検査をしてほしい」など不安の声が上がっていました。

宇宙監視レーダーは今月3日から運用が始まりましたが、地元住民らには伝えられていませんでした。中国四国防衛局は午後、住民団体「宇宙監視レーダー基地に反対する会」のメンバーらに、電話で説明を行いました。

会では、運用が開始されたときのリスクなどについて6項目の申し入れをし、運用開始前の対話を求めていました。
しかし、きょうの説明は防衛上の安全を理由に、ほとんどの項目で回答できないというものでした。

「宇宙監視レーダーに反対する会」事務局 盛重耕二さん
「正々堂々と説明すればもっと信頼関係安心が築けたはずなんですけど、なぜそういう考え方にならないのか不思議でなりませんよね」
会では住民説明会を開いて詳細な説明をするよう要望しました。

山陽小野田市にも連絡がなかったということで、市ではテレビ山口の取材に「防衛省には、今後も不安の声に丁寧な対応を期待している」とコメントしました。