クマの目撃情報が相次いでいた山口県岩国市の北部で8日、70代の男性がクマに襲われ重傷を負いました。

男性が襲われた岩国市本郷町では見回りを強化するなど警戒が続いています。


けさ、本郷山村留学センターと近くに住む本郷小中学校の児童・生徒24人は地域の人たちに見守られながら集団登校をしました。

日頃からクマよけの鈴を鳴らしながら集団登校していますがパトカーが巡回するなど警戒が強まる中学校へ向かいました。

8日午前6時20分ごろ岩国市本郷町波野で70代の男性がクマに襲われました。
男性が助けを求めに入った住宅の住民が「頭や腕をけがしている」と119番通報しました。

通報した住民は「『助けてクマにやられた』と言われて開けたら頭から血がばーっと顔の方にかかって血だらけでした」

男性は左手首を骨折し、頭部に傷を負うなどの重傷ですが命に別状はないということです。
男性を襲ったあとクマは逃げ、現在も見つかっていません。

県は関係機関が集まった対策会議を開き、今月21日まで岩国市本郷地区に今年初めてとなる「クマ出没警報」を発令しました。

8日夕方には、県の許可を得て、市や地元の猟友会などが現場近くの山中にドラム缶製のわなを設置し、クマの捕獲に乗り出しました。

県内でクマに襲われ、けがをしたのは、おととし6月以来です。

県などによりますと、クマの目撃情報件数は昨年度、過去最高となりましたが、今年度は、それを上回るペースだということです。

特に岩国市の玖北部、錦町、美和町、本郷町、美川町では、連日のように目撃情報が寄せられ、地元は対応に苦慮しています。

「これ間違いない、クマ」

男性が襲われたとみられる現場付近の山道の斜面にクマのものと思われる足跡があるのを本郷町猟友会の原田孝親さんが見つけました。

足跡はまだ新しく山の上に登って行っていました。