運転手不足で相次ぐ減便・廃止
このままバスが無くなれば生活に影響が出てしまう・・・地域の要望に応える形で、今年4月からは、防長交通と周南近鉄タクシーが運行を引き継ぎました。相次ぐ路線バスの減便や廃止。背景のひとつが、バスの運転手不足の問題です。

山本さん
「きょうは朝は6時半ですね、で、もう会社に帰れば午後7時は過ぎます。体力的っていうよりは精神ですね、やっぱり運転をする上でだいぶ、こちらの運転1つでお客さんの状況が変わってしまうので、そういった精神面では相当疲れます」
事故が起こらないよう安全に配慮しながらも、時刻通りに運行できるように。乗客の命を預かるだけに当然、神経を使う仕事です。防長交通には現在262人の運転手がいます。5年前と比べると、その数は2割ほど減っています。平均年齢は57.7歳。高齢化も進んでいます。
限られた人員で…苦渋の決断

こうした現状から、防長交通が引き継いだ光駅と室積公園口を結ぶ路線も、これまでの31往復から8往復と、3分の1以下に便数を減らして運行しています。この路線の運転手を確保するため、乗客数が少なかった光市と旧熊毛町方面を結ぶ路線バスを廃止し、グループ会社の周南近鉄タクシーに運行を引き継ぎました。限られた人数で新たな路線を担うための苦渋の決断でした。

防長交通乗合営業部・河合貴志部長
「なかなかもう、事業者だけの努力で雇用の確保っていうのは、もう難しい状態になってるかなと思います」
行政の後押しも特効薬なく
防長交通では、運転手として入社した人に10万円の支度金を支給したり、大型二種免許の取得費用を負担、自動車学校と協力して体験会を開催したりと、運転手の確保へ、手を尽くしてきました。
また、光市では新たにバス運転手になった人に最大40万円の給付金を出すなど、自治体としても後押ししています。しかし、どれも特効薬とはなっていません。運転手不足の解消は見通せない状況が続いています。