調査のテーマは、「変わりゆく夏休み」です。
山口県の夏休みの期間といえば8月31日まで、が親世代の常識。
でも今は、夏休みが8月31日までではない自治体もあります。
いったいいつまでなのか…、こちらです!
下関市は今月23日、宇部市と防府市は今月24日までで、およそ1週間も短い。
いずれもこの3年以内に夏休みが短縮されています。
実はこれ、全国的な傾向なんですが、なぜだと思いますか?
新型コロナに関係なく、こんな理由があるんです。
・授業数の増加に伴う授業時間の確保
・平日の授業を減らすため(教員の働き方改革)
・エアコンの設置
毎日に余裕が生まれれば、学業以外の活動にも取り組める、教員が、子ども一人ひとりに目を向ける時間が増える…などのメリットが!
長期の休みも、何かに集中して取り組める大切な時間なので、賛成、反対はあるかもしれません。
そのほか夏休みにどんな変化があるのか、終業式の日の小学校で大調査してきました。
永岡克也アナウンサー
「やって来たのは、tysからほど近い山口市立大内南小学校です。実は私の母校でもあります。私は平成3年生まれで、卒業したのは20年近く前ですが、この間にも変わっていることがあるんでしょうか。それでは、久しぶりに母校の門をくぐります」
先月20日の終業式。
もうすぐ夏休み、恐らくウキウキ感でいっぱいの児童たちに、まずはラジオ体操について聞いてみました。
永岡アナ
「地域のラジオ体操があるよという人、どれぐらいいますか?半分よりはちょっと多いぐらいかな」
念のため同じ5年生の3クラス、93人全員に聞いてもらいました。
「ラジオ体操がある」がちょうど半数の47人で、一方の「ラジオ体操はない」と答えた児童はわずか3人だけでした。
では残りの半数はというと、「あるかどうか分からない」という答えでした。
「分からない」ということは、「恐らく毎年、参加していないのでは」という予測ができそうです。
もうちょっと踏み込んで考察、調査をしてみました。
ラジオ体操を仕切るのは、地域の人や保護者らで作るいわゆる「子ども会」です。
少子化や共働き世帯の増加もあり、この子ども会が減少傾向にあるんです。
10年前には、県内に2929の子ども会がありました。
去年2021年には、1568にまで減っています。
ですので、わずか10年間でおおよそ半減しているんです。
さらに、山口市の子ども会が247あり、そのうち「ラジオ体操をやる」と答えたのは、7割近くの168でした。
すべての子ども会がやっているわけではないということも考えると、やはりラジオ体操をする機会は減っていそうだと推測できます。
保護者へのラインアンケートでは、
・50代女性「昔は土日も盆休みもあった」
・50代・60代女性など「現在はラジオ体操の日数が減った」「夏休みの最初の1週間しかない」
かくいう私も、ラジオ体操がない地区だったので、お手本がないと1人ではできません。ここまでラジオ体操に注目しましたが、夏休みの変化はこれだけではありません。
永岡アナ
「夏の楽しみの1つと言えばプールがあると思うんですが、私が在学していたときは、夏休み期間中に児童が学校のプールを利用できるという『プール開放』があったんですが、現在ではなくなっているということなんです」
プール開放を行う学校は、コロ ナの前から減っていたそうです。
1つは監視員の確保の問題です。
大内南小学校 西嶋智教頭
「やっぱり子どもの命がかかっていますので、どうぞ自由に泳いで下さいという訳にはいきませんので。教員は夏の間にやることが多いですので、研修等もありますし、地域の方々にご協力を頂くとなるといろいろと…いま難しい問題がありましてですね」
ほかにも、長い期間、水質を保つためにかかる維持費の問題のほか、近年の異常な暑さも懸念材料の1つとなっています。
ちなみに、大内南小学校では、気温や湿度などから算出される暑さ指数が31に達した場合などに、休み時間の外遊びが禁止されます。
近年では、熱中症対策のため外遊びを禁止する基準を設ける学校が増えているようです。