山口県では昨年度、1万6093人人口が減り、そのうち自然減が1万4148人、社会減が1945人でした。この「社会減」を考えます。
山口県の社会減対策は?
県は予算案で社会減対策強化を打ち出しました。
例えば初任給や若年層の給料を引き上げた中小企業などへの最大100万円の奨励金。
東京圏や近畿圏などから移住し就業や創業した場合に最大50万円の移住支援金を創設するほか、県営住宅を活用した「お試し暮らし住宅」を整備します。
若者の定住促進や移住を希望する人を呼び込もうという狙いです。
社会増を達成した阿武町の取り組みは?
移住者を増やす取り組みは人口減少に苦しむいろいろな地方で展開されていますが、山口県には、昨年度、町発足以来最大の社会増を果たした自治体があります。その理由を探りました。

中村龍太郎さん
「自然が豊かな所で子育てとかをゆくゆくはしていきたいなと思っていたので、いろいろ考えたり、探したりして東京からこっちに来ました」
2019年に東京都から阿武町に移住した中村龍太郎さんと千穂さん夫婦です。ゲストハウスを開きたいと考えていた2人。全国の自治体が集まった移住のイベントに参加したことがきっかけでした。
中村龍太郎さん
「全国各地の自治体さんと出会う機会があったんですけど、その中に阿武町さんが出てて。接した方だったり、その雰囲気とかその辺がよさそうだなと思って」
手厚い子育て支援、専門職との連携も
龍太郎さんはデザインやイベント企画の仕事をするかたわら、去年5月、竹細工を製作・販売する店をオープンしました。千穂さんは町役場に勤務しています。

中村龍太郎さん
「僕は阿武町の保育園の無償化は助かるなと思います。あんまり稼がなくてもいいっていうか、好きなことをできる余地があるっていうふうに思うので。なんかやっぱり家賃が高かったり、保育園が高かったりしちゃうと、それのためだけに働いている期間が長いと思うんですよ」
移住後、現在3歳の娘と1歳の息子が誕生しました。
中村千穂さん
「阿武町ならではの、保健師さんとのつながりがすごく身近あったりとかっていうところが実際にすごく助かっています。栄養士さんとか歯科衛生士さんとか専門職の方が保育園に来てくれたりもするんですけど、そういうつながりもすごい密ですし、経済的支援はもちろんなんですけど、そういうところに子育て支援の阿武町のよさがあるんじゃないかなと思っています」