上下グレーのスーツで眼鏡をかけ、証言台に立った山形県寒河江市の元職員の39歳の男、初公判に合わせ剃ったという丸刈りの髪は、判決の時には5センチほどにまで伸びていました。

市の職員を犯行に駆り立てた“待遇への不満”“収入をもっと増やしたい”

判決公判の廷内

男は2018年から寒河江市のふるさと納税にかかわる部署で、返礼品を提供する協力事業者の承認などをする審査会の事務局業務を担当していました。
審査会用の資料作成なども行っていて、男が審査対象とした協力事業者や返礼品は、ほぼそのまま承認・選定されていたということです。

こうした中、男が募らせたのが、市の待遇に対する不満でした。
2019年頃から不満を感じていた男は、収入をもっと増やしたいと思うようになります。

そこで目を付けたのが、今回、男に金を渡した事業者の代表取締役の男女でした。(2人は贈賄の罪で懲役1年6か月、執行猶予3年の判決を受けている)

市の規定では、ふるさと納税の協力事業者になるためには「市内に本社や主たる事業所を置いている」必要があります。
しかし、この女の会社では、市内で事業をしている様子が全くありませんでした。

そこで、男は「この事業者の女は金を稼ぐためならルールを破ることに抵抗がなさそうだ」と判断したということです。