兵頭哲二気象予報士に落雷から命を守るポイントを聞いていきます。

8月17日に山形県川西町では、落雷が原因の火災や、落雷に打たれたとみられる男性1人が命を落とす事態がおきました。
そもそも雷はどんなエネルギーを持っているんでしょうか?

雷はどんなエネルギーを持っている?

雷は、積乱雲の中で発生します。

積乱雲の中では氷晶とあられがぶつかって帯電し、雷が発生します。
そして電気がたまって地面との間で放電する。
これがいわゆる落雷です。

この落雷のエネルギーは凄まじいものです。

空気というのは、電気をほとんど通しません。そのため、電圧は1億ボルトにも達します。
一度の落雷で流れる電気の量は一般家庭の数ヶ月分の消費電力に匹敵するというほどのエネルギーです。

雷が人体に当たってしまった場合は命の危険があります。

直撃した場合、致死率は80%とも言われています。

8月17日夕方の山形県川西町の夕方の天気の状況を見てみましょう。

こちら午後5時半ごろです。
川西町の周辺には活発な雨雲がありました。そして午後5時20分から30分までの10分間に発生した雷が黄色い印で表示されています。

バツ印が雲の中で、四角の印は対地放電、要するに、落雷です。
10分間にこれだけの落雷があったということになります。

非常に集中して局地的に発生する可能性があるということがわかります。

雷から身を守るためにすべきことは?

覚えておいてほしいのは雷注意報が出ているときは、雷が発生しやすい状況で要注意だということです。

その上で、雨雲レーダーや積乱雲が近づくサインを感じたときには、すぐに避難をしてほしいです。

避難先として適当なのは、鉄筋コンクリートなどの頑丈な建物の中、あるいは自動車や電車などの乗り物の中なども安全とされています。