■ 町が提訴した「本当の理由」
このような事情から、町が起こし30日に始まった裁判の目的は、ハンターを責めることではなく「責任の所在をはっきりさせて、被害者の補償を保険金で賄えるようにすること」にあります。
もし、被害者が町を訴えている裁判で「撃ったハンターに重過失があった」と認定された上で賠償すべきとの判決が出たとします。すると町は追加で賠償金を支払うことになりますが、その原因を作ったのはハンターの「重過失」となります。
先に書いた通り、法律(国家賠償法1条2項)では、「公務員に故意または重大な過失があったときは、公共団体は本人に償還を請求できる」と定めています。
つまり、30日にはじまった裁判で町が主張しているのは、以下の理論になります。
被害者の裁判で「ハンターの重過失」が認定される可能性がある。もしそうなれば、町が肩代わりしたおよそ1660万円は、本来ハンター側(保険)が払うべきお金になる。しかし、現在、保険会社も本人も支払いを拒否している。
公金を扱う自治体として、おカネを回収できる権利(求償権)があるのに放置すれば、「なぜ補償に税金を使うのか」という視点で説明がつかなくなるのです。
かくして「裁判という公の場で、重過失があるのかないのか、保険が適用されるべきか否か、はっきりさせよう」と提訴せざるを得なかったわけです。







