米沢市の (株)フラスク(資本金6500万円、米沢市城南4-3-16、代表清算人・井上太氏)は、9月29日に山形地裁米沢支部より特別清算開始命令を受けた。
帝国データバンクによると、フラスクは2017年(平成29年)4月に設立された。地元の大学・山形大学発のベンチャー企業で、有機EL用の有機材料の開発・販売を行っており、製造は外注によるファブレスメーカーであった。
米沢市は、将来の市場規模が数千億円と期待された有機EL産業の集積地として全国的に知られており、フラスクは同関連の主要企業の1社であった。2019年(平成31年)には、有機EL分野への進出を検討していた横浜市にある上場企業の傘下に入り、同社の支援の下で業績拡大を目指していた。
しかし、有機ELのディスプレイは液晶との価格差などもあって普及が進まず、フラスクも恒常的な受注は少なかった。研究開発用の有機材料を扱う程度の運営で採算性に課題も抱えていたため、ここ数期は事業再建に取り組んでいた。
こうしたなか、親会社が有機EL関連事業の見直しを行ったとみられ、グループの事業再編が進んだことから、その一環として2025年(令和7年)7月31日の株主総会の決議により解散していた。
負債は2024年(令和6年)3月期末時点で約2億円だが、変動している可能性がある。
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