山形県内の高校で唯一の女子硬式野球部、山形市の惺山(せいざん)高校女子野球部が今月10日、1か月半ぶりの試合に臨みました。夏の全国大会を経て一皮むけた選手たちは試合の中で、ある新たな挑戦を行いました。

1年生9人での創部から、5か月が経った惺山高校女子野球部。1か月半ぶりとなる、他校との試合に向け、熱の入った練習が行われていました。

惺山高校女子野球部
鈴木剛監督
「気付いたらできるようになっている、というのが本当に多く、できないことというのにしっかり向き合って日々練習してくれているのかなというところは感じています」

4月にチームが始動してから、他校とのリーグ戦で経験を積んできた彼女たち。
これまで8試合を戦い、まだ勝ちはありませんが、7月の全国大会では強豪と競り合うほど力をつけてきました。
夏を乗り越え、新たな決意をした選手も。
チーム唯一の3年生、鈴木和花(すずき・のどか)さんは大学受験を控えていますが、チームに残ることを決めました。

惺山高校女子野球部 レフト
鈴木和花さん(3年)
「全国で負けて燃え尽きたというよりはむしろ、もっと上手になりたいとか上を目指したい。学校より部活したい」

彼女たちが数日後に控えていたのは、仙台市のクラーク記念国際高校との試合。4月に40点差で敗れた相手です。

惺山高校女子野球部 セカンド
五十公野ヒカルさん(1年)
「全国の時よりもチームが変わって全体的に引き締まった感じがします」

惺山高校女子野球部 ピッチャー 川崎美優さん(1年)
「少しでもクラークさんに食らいついていけるようがんばりたい」

7月の兵庫県での全国大会以降、練習や試合以外でも共に過ごす時間が長くなってきたという部員たち。

惺山高校女子野球部
齊藤真央主将
「いつも野球をしているメンバーなので新鮮というか。楽しいです」

コロナ禍でなかなか持てなかった交流の時間。全国大会の翌日は、初めての団体オフ。大阪城を見学しました。
チームの絆が強くなったようです。

そして迎えた1か月半ぶりの試合。前回0対40の大敗を喫したクラークとの対戦です。
選手たちが見せるのは、少し硬い表情。
今回は久しぶりの試合に加え、いままでのポジションを半分以上入れ替えて臨みます。

今回初ファースト
駒林佐和さん(1年)
「テンパりすぎてやばいです」

惺山高校女子野球部
鈴木剛監督
「先々を見据えていろんな事に挑戦させたいなというところ」

チームがさらに成長するための新たな挑戦。
ところが試合は初回からピンチを迎えてしまいます。1回裏、クラークの攻撃でノーアウト満塁にしてしまうと。

相手の4番打者が犠牲フライ。先制を許してしまいます。そして。

慣れないポジションで、守りに戸惑いが。その後もミスが続き2回までに4点を失ってしまいます。

挽回したい惺山は4回表の攻撃。ツーアウト1、2塁のチャンスにバッターは6番佐藤さん。
渾身のライトオーバーのヒットで1点を返します。
しかし、1対4で迎えた4回裏、またしても守備のエラーが続き、1対7と引き離されてしまいます。

惺山高校女子野球部
鈴木剛監督
「黙ってたら何も変わらないぞ、何か変えようとしろ」

5回の攻撃も無得点に終わった惺山。その裏の守備で。
ピッチャー変更、セカンドの五十公野(いずみの)さん。試合でマウンドに立つのは、なんとこの日が初めてです。

惺山高校女子野球部
鈴木剛監督
「やらせてみて、という感じ」

ピンチでも果敢に、新たな挑戦。しかし。
最後はエラーからの失点でゲームセット。1対8の5回コールド負けで、またも初勝利はおあずけとなりました。

今回、ポジションを入れ替えた理由。それは部員たちに「競争心」を持ってもらうためでした。

惺山高校女子野球部
鈴木剛監督
「来年はもっと競争も激しくなる。今日のようなミスがあったら今度は代わりがいるという状況になる。だから危機感をもってやってもらわないと」

惺山高校女子野球部
駒林佐和さん
「…がんばります」

新たな経験を通し成長を。彼女たちの挑戦は続きます。


9/14 「Nスタやまがた」で放送
動画はTUY公式YOUTUBEチャンネルで公開中
https://youtu.be/JRv6qtM0G10