世界屈指の自動車レース、F1レーサーを夢見る小学生と中学生の兄弟が富山市にいます。その夢を支えるメカニックはお兄ちゃん。二人三脚で世界を目指す澤田兄弟を取材しました。
去年、レーシングカートの全国大会で4冠を達成。タイトルを総ナメし、日本代表として世界大会にも出場したスーパー小学生がいます。
会場アナウンス:「トップは澤田龍征!」
会場司会者:「日本一に輝いた気分はいかがですか?」
優勝 澤田龍征くん:「超うれしいです」
この春小学6年生になった澤田龍征(さわだ・りゅうせい)くん(11)。
記者:将来何になりたいですか?
優勝 澤田龍征くん:「F1レーサー!」
そして、その龍征くんのカートを整備するのが1つ上の兄、賢征(けんせい)くん(12)です。
兄(中1)澤田賢征くん:「速くさせたい、マシンを、弟を、優勝させたい!」
二人三脚で、世界の舞台を目指しています。
午前3時50分。取材班が自宅を訪ねると…。
兄(中1)賢征くん:「おはようございます」
弟(小6)龍征くん:「おはようございます、きょうは1日よろしくお願いします」
富山県内に十分な練習環境がないため、週末になると、家族総出で全国各地のサーキットに足を運んで腕を磨いています。この日は、3時間半かけて岐阜県瑞浪市のサーキット場へ。
母 三春さん:「龍ちゃん、もうついたよ。あ、起きた、おはよう!」
橋本星奈アナウンサー:「龍征くんおはよう」
弟(小6)龍征くん:「おはよございます…」
母 三春さん:「寝ぼけてます」
まだ眠気眼の龍征くんについていくとー。
弟(小6)龍征くん:「じゃあ、走ってきます!」
突然、走りだしました。その日の路面状態を確認しながら走るがルーティーンなんだそう…。その頃、兄の賢征くんは。龍征くんが乗るマシンの整備…。
兄(中1)賢征くん:「もともとメカニックが好きで、メカニックしながらドライバーもしてて…」
兄の賢征くんも、おととしまではドライバーとして大会に出場。優勝するほどの腕前でした。
母 三春さん:「最初は両立してたんですけど。で走ってて、もっとマシンをこうしたら速くなるんかなっていうのを追求したくて。それで、自分でちょこちょこやるようになってから、楽しくなったみたいで、そっちにはまっちゃって」
好奇心旺盛で勉強熱心。複雑な配線も手際よくつなぎます。こちらはエンジンの動力をタイヤに伝える重要な部品。100種類もある中から、その日のコンディションにあわせて選びます。
兄(中1)賢征くん:「路面状況によって、雨のときは特に大きくするんです。立ち上がりを重視しながら、ストレートも伸ばす感じ」
2人が所属するルーチェモータースポーツ代表
神谷健太さん:
「大人でも結構できないんで…。今後が楽しみですね」
小学生が乗るカートといえど、最高速度は、時速110キロ以上!
地面に近いため、体感速度は2倍近くに…。振動や衝撃も身体に直接伝わります。
それでも強気にコーナーを攻めるのが、龍征くんの強さの秘訣です。
2人が所属するルーチェモータースポーツ代表
神谷健太さん:
「負けん気は人一倍強い。レースしてるときとか、譲らないし引かないし。意地でも1個でも前にっていう気持ちはすごく強い」
弟(小6)龍征くん:「事故ったりもするけど、ビビらずに走ってる」
今月6日の自宅。この日から小学6年生になった龍征くん。
弟(小6)龍征くん:「ただいまあ!」
始業式から帰ってきました。まだ春休みのお兄ちゃんがお昼ごはんをつくって待ってくれていました。
弟(小6)龍征くん:
「いただきます(兄:どう?)うまい」
なんでも器用なお兄ちゃんは、去年、ユーチューブチャンネル「澤田兄弟」を開設。弟の功績を世界へ発信しています。
兄(中1)賢征くん:
「澤田兄弟を宣伝したい。反響いい感じです」
登録者数も、少しずつ、増えてきているとか…。
兄(中1)賢征くん:「皆さんチャンネル登録お願いします」
家でもずっと(テレビで)カート三昧。
弟(小6)龍征くん:
「帰って来たら大体ずっとこれ見てます」
弟(小6)龍征くん:「どこがおかしいって?」
兄(中1)賢征くん
「いいところ言ったり、あんまよくないところも言ったり…」
そんな毎日の積み重ねで2人で100個以上の栄冠をつかんできました。
弟(小6)龍征くん:
「これ全部優勝、優勝。これからも絶対1番とる」
今シーズンの大会を前に練習に励む2人。この日、目指すのは1周46秒台。上位入賞の目安となるタイムです。
2人が所属するルーチェモータースポーツ代表
神谷健太さん:
「理論でいくと46秒8は出るから、自力で46秒8は出る。車も直すけど、龍征も走り方を変えていかないと、だめだよ」
弟(小6)龍征くん:
「最後のコーナーが、後ろ滑らせてしまって、コーナーをきれいに曲がれなかった」
反省点を踏まえ、お兄ちゃんが部品を組み替えます。
兄(中1)賢征くん
「悪くもないけどハンドルを切りすぎ。もうちょっと曲がらせたい」
2人が所属するルーチェモータースポーツ代表
神谷健太さん:
「思うようにコーナーに行く車をつくってあげたいよな。ドライバーが思うところに」
課題の最終コーナーはー。46秒には届かなかったものの、少しタイムが縮まりました。
弟(小6)龍征くん:
「コンマ1秒さっきより上がったし、また上がると思う」
兄(中1)賢征くん:「2人で世界行って、優勝しつづけたい」
弟(小6)龍征くん:
「もっと頑張って練習いっぱいして優勝できるように頑張ります」
2人で夢のF1の舞台へ!アクセル全開で走り続けます。