いまや観光スポットと言っていいくらいの賑わいを見せる「道の駅」。富山県内の観光スポット、年間入場者数トップ10のうち4つが道の駅で、しかも1位は、南砺市の「道の駅 福光」…。なぜ、道の駅なのか、取材しました。(1月13日放送分)

生産者(女性):
「白菜持ってきました、ほとんど毎朝持ってきます」

富山県南砺市の『道の駅・福光』。地元の朝どれ野菜がずらりと並ぶ農産物直売所『いっぷく市(いち)』です。

1時間後の開店に向け、店内では作業が進められています。

300軒以上の農家が販売登録する『いっぷく市』では、毎朝、生産者が採れたて野菜を搬入。店舗面積はおよそ500平方メートルと、県内屈指の広さを誇ります。

リンゴ生産者:
「売れて台が空っぽになっていたらうれしいですね、採算度外視の値段がついていますので」

『いっぷく市』では生産者自らが価格を設定できます。収穫量が落ち込み、値段が高くなる冬場でも白菜は1(ひと)玉200円、いまの時期、鍋料理に欠かせない葉物野菜も手ごろな値段で販売されています。

生産者(女性):
「昔はなかったからありがたい、形が悪い品物でも、値段を下げると買ってもらえるし」

富山県が発表したおととし1年間の県内の観光客入り込み数では、なんと『道の駅・福光』が、主要観光地を抑えて2年連続の1位!新型コロナウイルスの感染拡大に伴う移動制限があったにもかかわらず客足が途絶えることはありませんでした。

道の駅福光 図書武典さん:
「弊社は野菜モノがあり、必要な生活必需品な部分もあるので、コロナでも買いに地元のお客さんが買いに来られました。ありがたい限りでございます」

この日は、平日にも関わらず、開店直後から続々と買い物客が押し寄せ、次から次へとお目当ての野菜や果物をカゴの中へ…。

地元の人:
「ふらっとどころか野菜買うためにわざわざここまで来る、街に行くよりもこっちのほうが安くて新しいから」

金沢市から片道1時間半かけて通う男性は…。

金沢市から訪れた人:
「ひと月に2回は来ているね、やっぱりいいよ新鮮よ、普通のスーパーあるでしょ、どこでもね、でも遠方から来るってことはそれだけの魅力があるということですよ」

コロナ禍で消費が落ち込む中、『道の駅』がなぜこれほどの人気を集めているのか。地方経済の専門家は・・・。

北陸経済研究所 藤沢和弘さん:「道の駅のいいところは、もちろん旅の人も使うし、近隣の人の半生活必需品みたいな…。行くとお目当ての産品があって、そのリピーターが多くて、地域の人もいける。それでいて、地元のスーパーなどと競合しない。民業圧迫みたいなことが起きていないのがいいところです」

去年8月までに登録された道の駅は全国で1198駅。このうち富山県内には16の道の駅が存在します。

近年ではドライブ中の休憩所として利用されるだけでなく、周辺地域の特産物を買い求める観光客で賑わう、重要な観光施設となっています。

北陸経済研究所 藤沢和弘さん:「道の駅自体がブランドになってきているので、見かけたら行くとか、近場に何か探してから行くとか、実は観光地として見たときに小さな道の駅であっても結構キラーコンテンツ的な、人の入りだけ見ているとあると思います」

そして、コロナ禍で新しい取り組みを始めた道の駅もあります。