全国高校ラグビー選手権大会は福岡県代表・東福岡が優勝しました。富山県代表の富山第一は今回も初戦突破はかなわず涙をのみました。しかし、その裏には最後の花園に懸ける3年生の熱いドラマがありました。
富山第一 河合謙徳 監督:
「いままでこの富山第一高校ラグビー部が一度も行ったことないところに俺も全力でチャレンジしたい。自分たちでどれだけ高められるかってところ大切にしてもっともっと高いところ目指して取り組んでくれ」
新チームが始動した富山第一ラグビー部。初戦突破という長年の夢は後輩たちに引き継がれ新たな挑戦が既に始まっています。
高校ラガーマンの聖地・花園。4年連続出場の富山第一は2011年以来越えられていない花園初戦突破の壁に挑みました。
対戦相手は山口県代表・大津緑洋。
両チームの強みは攻撃的なディフェンス。序盤から激しくぶつかり合います。
実況:
「ナイスタックル富山第一」
「攻めるようなダブルタックル大津緑洋」
我慢比べの展開が続くなか人一倍気を吐いたのが。
実況:
「中村!ナイスタックル」
3年・中村優天選手です。
実は、花園開幕の2週間前…。
富山第一 河合謙徳 監督:
「優天。きのうけがしたな」
中村選手は、右肩を完全脱臼。花園には間に合わないと言われていました。しかし。
中村優天選手:
「フルで出てずっと60分間体張れるようにやっています」
「自分のプレーでチームを勝利に導きたい」
最後まで諦めていませんでした。
実況:
「中村!押し込んでいきました」
父 中村陽二さん:
「完全な状態ではないのはもうみんな十分わかっていて出してもらっているので。そのなかでしっかりスクラム、コンタクトプレー、全部体張っているので。胸が熱くなりました」
けがを感じさせない必死のプレーでチームのために体を張ります。
そしてもう1人。この花園にかけていた選手が。
実況:
「山田純平もっていく!自ら行く」
キャプテン・山田純平選手です。
キャプテン 山田純平選手:
「ことしこそピッチに立って自分のできるだけのプレーをしてチームの勝利に貢献したいです」
2年生からチームの主力でしたが、花園直前に左足首を骨折。
夢の舞台ではピッチの外からチームを見守ることしかできませんでした。
キャプテン 山田純平選手:
「先輩たちのやる気とか気持ちめっちゃ感じたんで自分もそこに加われなかったのが悔しくて」
チームメイトが涙をぬぐうなか山田選手は。
キャプテン 山田純平選手:
「この借りは絶対来年返すっていう気持ちでずっとピッチを見ていました」
負けた悔しさとプレーできなかった悔しさを最初で最後の花園にぶつけます。そんなキャプテンの姿がチームを勢いづけます。
実況:
「1番!中村中村中村!止まらない」
次々と猛攻を仕掛けます。
実況:
「青い固まりをつくる!押していく!さあボールを持っているのは岡本岡本岡本!トライ」
富山第一の執念を花園に刻みます。
実況:
「決まった!大きな2点」
実況:
「富山第一押し込む押し込む」
最後まで攻め続けます。
実況:
「ノーサイド」
花園初戦突破の高い壁に迫るもあと一歩届きませんでした。
キャプテン 山田純平選手:
「最初すごく緊張したんですけど試合のなかですごくラグビーやっていて楽しくて本当に今年出れてよかったなと思います」
「自分で体当ててトライしたかったんですけど一歩及ばずで。そんなにプレッシャーかけたくないですけど来年ここに帰ってきて勝ってほしいですね」
トライを決めた岡本煌汰選手(2年):
「絶対に来年はディフェンスの磨きをかけてしっかり勝ちきれるように頑張りたいです」
花園からわずか1週間。新チームが始動し熱のこもった練習が続いています。
大鶴悠斗選手:
「先輩たちの悔しい思いを受け継いでこれからも頑張っていきたい」
開保津璃樹選手:
「次は自分が引っ張ってかんなんなと思って練習に取り組んでいます」
川原田蒼士選手:
「花園でまず1勝することと、1勝だけじゃなくてもっと上目指していきたいです」
後輩たちに託された花園初戦突破の壁。富山第一ラグビー部の挑戦は既に始まっています。