観光業界の支援を目的に始まった「全国旅行支援」期間が12月27日宿泊分までに延長され、年明け2023年も内容を変更して実施すると政府が明らかにしました。どれだけお得に旅行を楽しめるのか?まとめました。
旅行代金の割引率は、40%となっています。割引の上限は国内ツアーで8000円宿泊・日帰り旅行で5000円。さらにみやげ物店などで使える地域クーポンを平日で3000円分休日の場合1000円分を受け取ることができます。
富山県砺波市観光協会 齊藤浩美さん:
「すごいんですよ。全部。800件くらい」

10月から始まった全国旅行支援。砺波市観光協会が企画したある、日帰りプランは予想を大きく上回る反響でした。
富山県砺波市観光協会 齊藤浩美さん:
「忙しすぎて苦しみもありましたけど、うれしいですね。うれしい悲鳴です」

休日、平日問わず連日定員が埋まるほどの人気商品ですが、12月の最終週はまだ空きがあるといいます。

この日も、平日にもかかわらず6組、15人の予約がありました。その人気の旅行プランというのが。

「庄川峡のショートクルーズと伝承料理プラン」

ワクチン接種済証、または結果通知書の提示で通常5000円の日帰りプランが全国旅行支援の割引で3000円で楽しむことができます。

さらにー。
「おひとりですね。おみやげクーポン平日3000円ついています。本日6枚。本日中にすべてご利用ください。」
女性2人:
「2人で6000円払って、だから元が取れている」
さらに、さらに…。
「観光協会のほうで500円のクーポンがついています」

一部の店舗で利用できる500円の買い物券まで。つまり、支払った旅行代金を上回る額面のクーポンが貰えることになります。
500円の買い物券の原資は旅行を企画した観光協会の負担ですがー。
富山県砺波市観光協会 齊藤浩美さん:
「楽しんでいただいて、いろんな施設を見ていただいて、砺波をピーアールしていただけるかもしれないので」
アフターコロナを見据えた先行投資と考えています。今回の旅行プランの目玉はアズマダチ家屋を改装した農家レストランでの豪華なランチ。
大門素麺をはじめ「ゆべす」「具入り丸揚げ」「根菜いとこ煮」など、となみ野の健康的な郷土料理を味わえます。
参加者:
「こういうのはめったに食べられない。貴重な体験。正月みたい」
「お得というか、払っているのか払っていないのか分からなくなる」
「地方の活性化のためにも、もっともっとたくさんの人が知ったほうがいい」
観光協会の日帰りプランは、富山県砺波市のチューリップ四季彩館の見学や庄川峡遊覧船といった砺波の見所を一度に楽しめる3時間半の旅。生活リズムを変えることなく小さな非日常を楽しめる手軽さが人気の理由です。
そして楽しみなのが地域クーポンを使った買い物。
観光客(富山市):
「3件あるから3件分。お土産に。塩せんべい。お米と富富富と」
会計は3052円。3000円をクーポンで支払い残りを現金で支払いました。これだけ買って、まだ4000円分のクーポンが残っています。
そんなクーポン特需を売り上げにつなげたいという取り組みもあります。こちらの居酒屋チェーンでは、支払いでクーポンを使ったお客さんに限り会計をさらに割引くという太っ腹なサービスを行なっています。
居酒屋チェーンを展開 アトム 大崎広明さん:
「クーポンをお店でご利用の場合はさらに平日ですと3000円引かせていただきます。土曜日、日曜日、祝日は1000円さらにお会計から値引きとなります」

新型コロナで大きな打撃を受けた飲食業界。こちらのお店も以前より客足が回復したというものの、コロナ前のにぎわいはまだ遠いのが現状です。
そんな中、少しでも売り上げに結び付けたいと、全国旅行支援を機会に実質的な値下げを決断しました。
居酒屋チェーンを展開 アトム 大崎広明さん:
「もらったとしても、使う先が思いつかない方もいらっしゃる。ぱっと目について飲食してもらえるような簡単な仕組みとして宣伝しているところでございます。リピートされる方も結構いらっしゃるので(お店の)メリットになっている」

現行で一律40%の割引率が「20%」になります。割引上限額についても、国内ツアーは1泊あたり「5000円」に、宿泊・日帰り旅行の場合は「3000円」に、それぞれ引き下げられます。
配布されるクーポン券の額は、平日は現行の3000円分から「2000円分」に引き下げられます。休日は「1000円分」で変更ありません。
また、政府は原則として来年以降は紙ではなく、電子クーポンの配布を各都道府県に求めていて、富山県も電子化されます。
富山県に聞いたところ、現在は専用のアプリを開発中で旅行事業者の負担も、増えないようなものにしたいとのことでした。
地域活性化の起爆剤であることは間違いありません。感染症対策を徹底して利用すれば、旅行者・地域、双方のメリットは大きいようです。