乳がん手術で失った胸を取り戻す「乳房再建」。それは形だけでなく「生きる力」を回復させる治療です。一度は再建を諦めた女性が、最先端の自家組織法に希望を見出しました。全国から患者が訪れる富山大学附属病院のチーム医療と、女性の思いを追います。
富山大学附属病院。3週間後に乳房再建手術を控えた、愛知県の30代の女性が診察に訪れました。
富山大学附属病院 形成再建外科・美容外科
佐武利彦 医師
「お尻の上側から250~300グラムの脂肪を取って、乳房の形にしていきます」


女性はおととし、検診で右胸に乳がんが見つかり、去年2月に全摘出しました。
愛知県在住 30代女性
「SNSで再建した人の投稿を見て、再建もできるんだ、しかも保険が使えるんだと知りました。実際に摘出した姿を見て、より再建したいと思うようになりました」

再建手術に向けて、今女性の胸には「エキスパンダー」と呼ばれる
風船状の器具が入っています。胸の上から生理食塩水を入れて皮膚を広げていきます。
これが、のちに脂肪を入れる“土台”となります。
30代女性
「今はまだ人工のものが入っていて違和感があるので、これが自家組織に変えてどう自然な感じになるのかが楽しみです」