相次ぐ金属の盗難被害。富山県内でも銅像やインゴットが盗まれる被害が多発しています。いずれも転売目的とみられますが、買取業者は盗品と見分けるのは困難だと話します。

高木健至記者
「『宮島峡・清風の像』と書かれた看板がありますが、ご覧ください。銅像のあった場所にはブルーシートがかけられています」

小矢部市の景勝地・宮島峡に点在する銅像。そのうちの高さ1.8メートルのブロンズ製のビーナス像が盗難被害にあっていたことがわかりました。

小矢部市によりますと、5月中旬、近くを通りかかった人が気付き、市が警察に届け出たということで、小矢部署が窃盗の疑いで捜査しています。

銅を狙った窃盗は他にもあります。

ことし4月には。高岡市金屋町で石畳通り沿いに設置されていた4体すべての銅像が盗難被害に遭いました。
被害額は1000万円以上にのぼるとみられます。

さらに5月には、市内の鋳物製造加工業者から真鍮などのインゴットあわせて150個が盗まれる被害も発生しました。
いずれも、転売目的の犯行とみられます。

相次ぐ銅を狙った窃盗。金属の買取業者は、こうした背景には、銅の価格高騰が影響していると話します。

中嶋商事 中嶋靖男社長
「上がってますね。倍、もしくは倍以上コロナ前は(1キロ)400~500円くらい。いま1200~1300円くらいまでは上がってます」

6月13日には「金属盗対策法案」が参議院で可決成立。

金属くずの買い取り業者は、客の本人確認を行うことや、取引などの記録を3年間保存すること、盗品の疑いがある場合に警察に申告することが今後、義務付けられます。

しかし持ち込まれた金属が、盗品かどうかを見分けるのは難しいと話します。

中嶋商事 中嶋靖男社長
「いや(盗品かは)わからん。ほとんどわからないもん」「(対策は)やっぱり身分証明を提示してもらうとか、正しい道じゃないような感じで入手したものやったら、そういう人たちは、ちょっと怖がるんじゃないかなと」「盗難がない方が、気軽に(仕事を)やれるから。毎日、それを心配すると仕事大変ですよ」
