旧統一教会と富山県の新田知事との関わりの疑問点や今後の対応について、3日の知事の定例記者会見では報道各社が質問しました。全文です。
KNB(北日本放送):
旧統一教会に関する質問になります。先月の26日に富山市議の成田さんが自身の統一教会と関連団体のかかわりについて公表されました。その中でおととしの7月5日に、新田知事の激励集会に出席したという趣旨のことを明らかにされています。一方で知事は、これまでそのことについて発表されていないのではないか?まず知事自身は激励集会について参加されたか、仮に参加されていればどのようなことをお話されたかお聞きします?
新田知事:
はい。その件ですね。成田さんがどちらかからの書面での質問に回答されたということで、そんなことを教えてくれる方がいらっしゃいましたので、もう一回、私も記録を精査をしてみました。これはですね、先般、8月9日にこの場で事務局、事務所で過去の経緯を調査した結果をまとめて発表いたしました。実はそのときこれがもれていたということで、大変に申し訳なく思っております。これはそのときも申し上げたかもしれませんが、あまり選挙事務所はデジタル化されておりませんでして、ほとんどアナログでやってます。そして借りている事務所を撤収するときに様々な資料が散逸してしまうことがありがちだということ。その中の一端でありまして、ですから記録はないんですが皆さんにいろいろ聞いた結果ですね、この7月5日も集会があったということであります。わたしの記憶がそのあたり実ははっきりしておりませんで、ただ私もそこにいたのは事実だというふうにここで申し上げたいと思います。
KNB:
7月5日も支援を受けた1つと認識しているということでしょうか?
新田知事:
そういうことになりますね。やはり私の考えなりを発表させていただいたわけです。ですからそういった場は3回と申し上げておりましたが、4回になるということで、大変申し訳なかったと。修正をさせていただきます。
KNB:
これに関しては詳細を具体的に調べられる?これから調べて公表されますか?
新田知事:
はい、そういう集会だったということ。これ以上詳しく…
KNB:
後援会の方に調べて…
新田知事:
もう後援会に調べた結果が、いまの私の発言です。
KNB:
わかりました。もう1点。全国霊感商法弁護連絡会の申し入れについて質問させてただきます?先月6日時点で申し入れ、まもなく1か月が経とうとしておりますが、知事はこれまでの取材に回答の目途についてのんびりしているつもりはないとおっしゃったのを記憶していますが、現時点で回答しているのでしょうか?
新田知事:
はい。ありがとうございます。まず端的に答えますと現時点でまだ答えられていません。あと1週間くらいかなと思うんです。というのは記者クラブにも送られていると、そういうFAXだったと思いますが、ご覧になったでしょうか。大変にですね。連絡協議会さんがこれまでまとめてこられた霊感商法の被害集計データ。それからこれまでの判決の概要、様々な訴訟の判決の概要、また刑事手続きの事例のリストと。大変ぼう大な、ぼう大な資料があります。やっぱり専門家の集団の方々ですので、こちらもいわゆる気軽にというか、お答えできるものではありませんので、詳細に精査をしながら、せっかく送っていただいた資料もじっくりと見ながら、皆さんみんな我々も忙しい中ですけどもやっているので、ちょっと時間がかかって。1か月もかかるんですかと思われるかもしれませんが、どうか資料をぜひ、全部見た方がおられるとしたらご理解いただけると思うんですが、大変な30年の、35年間取り組んでこられた弁護士、専門家の皆さまからのご質問ですから、やっぱりしっかりと受け止めて丁寧にお答えをするつもりで時間がかかっているということでご理解をいただきたいと思います。
KNB:
回答に関しては書面で?知事が申し入れに対して見解が違うと述べられている場面もあったと思います。9月16日の本会議だったと思うんですけど、今の段階でご発言できる範囲で聞かせていただけますか?
新田知事:
これはですね。本当にこの件に関して35年間取り組んでこられた全国霊感商法対策弁護士連絡会の皆さまが真剣にお送りいただいた書面での質問状ですので、これはその質問には書面でお返しするということで、その前にこの場で一端でもお話するのは失礼かと思いますので控えさせていただきます。まあ、議会の中で、見解が違うと申し上げたのは、ごく一部ですけども、一例としては「煮え切らない」と山口弁護士さんがおっしゃっていました。それについてはこの場でも何度も議論、議論というかやりとりになったことですが、私の立場では強い言葉、過激な言葉で言い切るということはちょっとできないと。それをもって煮え切れないといわれるのでしたら、それは見解が違いますよねというそんな意味合いでございます。
KNB:
申し入れの回答は、知事からもマスコミに発表される予定はありますか?
新田知事:
それをされるとしたら協議会の方からだと思いますよ。多分されると思います。あちらから。それでですね。今回、統一教会の件はやはり先般、安倍総理の国葬にも参列してまいりましたが、7月8日に銃撃事件が起きて、その後、7月20日のここの定例の場でKNBさんからご質問をまずいただいたのがやりとりの初めだったと私は記憶しております。その時は大阪の吉村知事や岩手の達増知事がいろいろと発言をされておりました。いち早くですね。それに対してどう思うかというご質問をいただいたかと思います。それに対しまして私も発言が承知しているということ。また、私は2年前の2020年10月の選挙において支援をもらったということを私からお話をしたことでございます。で、次の時、7月26日のときに、さらに質問続きましたのでその場で先ほどのやり取りのようになりますが、記憶に頼っていてもなかなかなので、事務所の方で調査させる旨をお約束いたしました。そして8月9日にその調査結果を発表しました。それは公務について、それから政務について両方発表をしました。その場で、その上でですね。コンプライアンス上問題のある団体とはお付き合いしませんということを申し上げました。8月9日に申し上げて、それ以降私が申し上げていることは全く変わっていません。と同時に、ただ旧統一教会と、その平和連合、あるいは平和大使協議会、あるいは世界平和統一家庭連合、それからUPF、これらの団体との関係を実は不勉強ながら知らなかったと、私の不勉強をお詫びもしたことであります。そして信頼回復のためにここは県民の皆さまへの公平公正な県政をするということで、しっかりと県民の皆様の信頼を引き続き回復をしていきたいということも申し上げたところでございます。繰り返しますが、8月9日にコンプライアンス上の問題がある団体とはお付き合いしないということは明言申し上げて以降、私の言っていることはまったく同じであります。そういうようなことは、KNBさんが発端、7月20日に最初に提起をされた課題ですので、その後質問に対しまして、復習をさせていただきました。それでこの旧統一教会のことなんですが、私もかつてほぼ30年前ですね。合同結婚式とかが代々で気に報道されて認識がありました。ただその後はあまり私も普通に報道にも接しますし、常識的な注意力を持っていると思いますが、あまり旧統一教会のことについては、耳目を集めることはなかったと思います。ですから先ほど申し上げたように、旧統一教会と世界平和統一家庭連合と、平和大使協議会、UPF、まだいくつもあるかもしれませんが、それらとの関係を明確にわかって区別できる方が果たして何人おられたかと思います。ただ、だからといってこういう立場ですから、不勉強を恥じないといけませんが、それが今回の安倍総理の銃撃によってまたクローズアップされたということだというふうに理解をしております。そのような中でしっかりと公約をしたこと、成長戦略の実現に向けてしっかりと働いていくこと、それによって県民の皆様からの信頼をぜひ回復してまいりたいと思いますのでどうかよろしくお願いします。
チューリップテレビ:
チューリップテレビの毛田と申します。よろしくお願いいたします。
新田知事:
はい。よろしくお願いいたします。
チューリップテレビ:
いまKNBの質問に関連してなんですけども、おととしの7月5日に行われました。新田知事の激励集会ですが主催団体と場所はわかりますでしょうか?
新田知事:
わかりません。富山市内です。
チューリップテレビ:
お集りになった方々がどんな方で、何人くらいかはわかりますか?
新田知事:
わかりません。それは成田さんの返答には書いてないんですか?
チューリップテレビ:
成田さんにお聞きしたところ手帳に書いてあるだけだとおっしゃったので、詳細なことまではちょっと分からないです。
新田知事:
なるほど、私手帳にも書いてなかったですね。だから抜けたんだと思いますが、申し訳ございません。本当に。
チューリップテレビ:
9月県議会では冒頭、コンプライアンス上問題のある団体と関連団体と関係を持たないとおっしゃいましたけども。
新田知事:
8月9日から申し上げ続けていることですね。はい。
チューリップテレビ:
それは旧統一教会と関係を持たないという理解でよろしいでしょうか?
新田知事:
あの旧統一教会さんは、統一教会は、旧統一教会はそういう訴訟にもなっているという、コンプライアンス上問題を抱えている団体だということ。それでコンプライアンス上問題ある団体とはかかわりを持たないということを申し上げていることです。
チューリップテレビ:
政治家として関係を持たないとおっしゃったので、2年後には知事選もありますが、今後統一教会からは選挙応援を受けることはないという理解でよろしいですか?
新田知事:
今こういう状況を経てのことですから、2年後のことはまだ私もどうなるのかわかりません。出馬するのかということも全然決まっているわけでもないので、そこまでは今、答えられませんね。
チューリップテレビ:
確かに仮定の話ではあるんですけども、選挙応援を受けるか明言されないのは、県民に対する疑念が不安が残るという見方もできるんじゃないかと思うんですが。
新田知事:
あの、またそういう質問の仕方は大変困るんですけども、2年後、まだ私が選挙に出るかどう
かわからない。そのうえで誰かの応援受けますかというのはやっぱり答えられないんじゃないでしょうかね。それを持ってまた、そうやって疑念が深まるとか、そういうご発言はぜひ慎んでいただきたいと思いますね。
チューリップテレビ:
先日、世界平和連合県本部の鴨野事務局長にインタビューをして、その中で後援会の中で首からぶら下げるワッペンを作って事務所で配ったという話があったんですがそれは事実でしょうか?
新田知事:
うん。それもよく記憶にないですね。
チューリップテレビ:
改めて…。
新田知事:
たくさんの人がいました。常に終盤は常に100人くらいの人が来ていただいて手伝ってもらいました。ですから、もしみんながそのワッペンをしていたとしたら皆さん覚えていらっしゃるんじゃないでしょうか。私はほとんど日中いなかったので。私自身はしていなかったと思います。そういうものは。ですから、その記憶はないですね。
チューリップテレビ:
先ほどの弁護士連絡会の…「関係を絶つ」というのは、政教分離の話と統一教会との関係はまったく別の話だと申し入れでも指摘されていると思います。違法な行為をしている団体と関係を絶つべきと弁護団は指摘されていまして、それについて知事のスタンスとしては政教分離という話がありますが、この指摘については?
新田知事:
コンプライアンス上の問題のある団体とはお付き合いを今後しません。一切しませんと申し上げています。
チューリップテレビ:
知事はその後に県民も信者である。政教分離の話もあるので、強い立場があるので関係を切るという発言はできないと繰り返しおっしゃってらっしゃいますが、弁護団の主張としては政教分離と統一教会の話は全く別だという指摘をされていると思います。それに対する答えはいかがですか?
新田知事:
そのあたりはですね。つい先日、9月30日でしたか。地元新聞(北日本新聞)でたいへんコンパクトにわかりやすくまとめていただいたので是非それを読んでいただければより明確にご理解いただけると思います。
チューリップテレビ:
その一端を教えていただければと思ます。
新田知事:
それは読んでくださいよ。お願いいたします。たいへんに私がむしろ説明するよりも、より分かりやすく、コンパクトに、そして各いろんな方面に目配りをされた、とりまとめたという風に私は理解していますので。その方がより分かりやすいと思いますよ。
チューリップテレビ:
わかりました。ありがとうございます。
新田知事:
ありがとうございます。あ、そうだ。すいません。たくさん質問にお答えしたので、ひとつだけ、私9月2日のこの場でいろいろチューリップテレビさんとやりとりがあったので、水掛け論になっても困るから、番組審議会という大変に法律に基づいたしっかりとした会があると。私もKNBさんで番組審議委員を経験しましたのでね。たいへんにしっかりとやっておられました。場合によっては自社に都合の悪い情報もしっかりと開示されたうえで、番組審議委員の意見も聞かれるというとっても良い場だったと私は経験しておりますので、ぜひそんな場でこの件も、私がああいったこういったということを水掛け論になるから、そういった場で公平公正な審議委員の方にお諮りされたらどうですかと提案いたしました。その後、それこそ1か月経ちますが、どうなったんでしょうかということを質問させて…。
チューリップテレビ:
それはこの場でお答えすることではありません。
新田知事:
やってらっしゃらないんですね。まだ。
チューリップテレビ:
やっていますが、審議会の内容を県知事会見の場で私が明らかにするというのはおかしいと思います。
新田知事:
やられたということで、それでもう十分です。はい。だけど普通あれはですね私、この場であれですけど。民間人のころはこうなる前まではチューリップテレビさん創業以来、社外取をやっておりました。その記憶で言いますと、月に1回、そういった番組審議会の内容をテレビ上で放映する場があったというふうに思っています。それはされたんでしょうか?
チューリップテレビ:
もちろんです。
新田知事:
それで十分です。ありがとうございます。開催はされたと放映をされたということですね。わかりました。
チューリップテレビ:
放映はちょっと未確認ですが、開催はしました。開催はして詳しい経緯までは私は確認していません。
新田知事:
開催はされたと。だけどその内容の広報はしておられないということですね。
チューリップテレビ:
それは会社に確認しないと今、私はお答えできない。
新田知事:
そうですか。わかりました。
朝日新聞:
朝日新聞です。先ほどチューリップさんとのやり取りを聞いて気になったことがありまして確認させてください。チューリップさんは連絡会からの指摘を踏まえて知事の見解を問うた。知事は地元紙をお読みになってくださいとおっしゃいましたが、これは筋違いではないかと思いまして。この場は知事の見解を伺う、それを掘り下げる場でありまして、その趣旨でチューリップさんは質問されたと。それにあたって地元紙をお読みになってください。なぜあのようなお答えをされたのか真意をお聞かせください。
新田知事:
大変にコンパクトに分かりやすくまとめていただいたなと思いまして。いわば、その通りの言葉ですが
朝日新聞:
この場で知事の見解を伺いたいという質問をしています。それに対して地元紙を読んでくださいという答えは果たして適切だと思われますか?
新田知事:
すみません。朝日のお名前は?
朝日新聞:
竹田といいます。
新田知事:
竹田さん毎回出ておられましたっけ?
朝日新聞:
きょうは担当者が休みなので代打で出席しています。
新田知事:
じゃあ担当の方にお聞きいただければいいと思いますが、これまで私とチューリップさんのやりとりはほとんどかみ合わずに来ました。ですからきょうもそういうことになったら、時間がもったいないかなと思って、ああいう答えをさせていただいたんです。過去の蓄積の上に私の発言があるということです。
朝日新聞:
やりとりは噂レベルでは聞いていますが。
新田知事:
そうですか。
朝日新聞:
それをもってしても答え方として果たして適切か。他社を読んでくれという答えは少し乱暴ではないかというか、筋違いではないかと。知事の気持ちはよくわかります。答え方がほかにあったのではという中で、地元紙を読んでくださいというのはどうかと思うんですけど、改めてお考えを教えてください?
新田知事:
そうですね。あの今30万部ぐらいなんでしょうか、地元紙は。発行されていて多くの方が読んでいらっしゃる。これほど富山県民の共通言語のようなものです。ですから、そこに堂々と書かれている記事をお読みいただくというのが、私としては一番分かりやすいのではないかと申し上げました。
朝日新聞:
水掛け論になってしまうのでこれ以上はお尋ねしませんけども、ただ政治家として言葉を尽くされるべきだし、そのことが命である立場におられる。わかりやすいからという理由で、地元紙をこの場で勧める。そこに委ねる、代弁させるのは適切じゃないのではないのではないでしょうか?お伝えして終わります。
新田知事:
ありがとうございます。あの、実は朝日さんのこともこの場で引用しました。9月6日に御社のアンケートの取りまとめが出ましたと。その場で全国会議員、全都道府県会議員、それから全知事にアンケートの結果をまとめて、知事についていえば7人の知事が旧統一教会と関係があったと答えたと。そのうちの1人が私ですと。その中で4人が関係を一切持たないと、今後、と答えているということ。御社の9月6日の記事に載っています。これなどもやっぱり大変に全国紙ですから、皆さんの信頼も厚い新聞だというふうに思います。その言葉を私はより理解を深めていただくためにわかりやすくという意味で引用させていただきました。私はそういうこともありかなというふうに思います。で、繰り返しますが、今までの私とチューリップテレビさんの長いやりとりをお聞きでしたらですね、私がこう答えたくなるのもご理解いただけると思います。以上です。
朝日新聞:
弊紙を取り上げていただいて恐縮でありがたいことなんですけども。取り上げたうえで知事のお考えもプラスアルファでご説明されていた。それを材料として記事を引用されていたと思います。これに関してはまるまる地元紙の記事を読んでください。丸投げのみたい形に受け取ったので。その部分を踏まえてこうあったと私はこう思うというふうに。そこは知事として言葉を尽くしていただきたい。今後ちょっと大事にしていただきたい。
新田知事:
わかりました。ありがとうございます。しっかり受け止めます。
チューリップテレビ:
30万部の地元紙が共通言語とおっしゃいましたが、どういう真意ですか?
新田知事:
はい?
チューリップテレビ:
30万部の地元紙は県民の共通言語とおっしゃいましたけど、そんなわけありませんよ。どういう真意ですか?
新田知事:
真意?
チューリップテレビ:
どういう意図でおっしゃったのか?30万部の地元紙は県民の共通言語ってそんなわけありませんよ。何万部だって関係ないですよ。
新田知事:
じゃあプラットフォームという、言語という言葉がもし引っかかられるようでしたら。プラットフォーム、みんなが読んでいるということです。
チューリップテレビ:
みんなが読んでいる紙面だからそれが知事の意見ではないですよね。
新田知事:
私はまったくあれは同感でしたよ。
チューリップテレビ:
であれば同感だったということをこの場で発言されたらどうですか。記事を引き合いに出して。
新田知事:
わかりました。今後気をつけますね。
チューリップテレビ:
以上です。
※9月21日、第320回のチューリップテレビ放送番組審議会が開かれ、各委員からチューリップテレビの旧統一教会報道について各委員と意見を交換する場が持たれました。