能登半島地震から1年が経ちました。富山県内では地震の数日前に産声をあげた赤ちゃんがいます。揺れの中で両親を安心させたのは小さな命の存在です。その子は「丈」と名づけられました。

去年12月25日、1歳の誕生日を迎えた茶中丈くん。おじいちゃんおばあゃちゃんも一緒にお祝いです。
丈くんは最近できることが増えてきました。
父親の亮太さんが漫画、「あしたのジョー」が好きなこと、そして丈夫な子どもに育ってほしいという思いから「丈」と名づけられました。
2つ上のお姉ちゃん、ほなみちゃんとも仲良しです。

丈くんは2023年12月25日に産声を上げ、1週間後の12月31日に退院しました。
高岡市伏木にあるアパートで家族4人での新しい生活が始まった矢先に地震が起きました。
父親 茶中亮太さん
「すごい揺れだったんが、覆いかぶさって守っているときに丈の顔を見たら、幸せそうな顔で、揺れにも動じず幸せそうな顔で寝ているのを間近で見て、少し恐怖もあったが、癒された気持ちもあって、名前通り大丈夫なのかなって」
母親 茶中あかねさん
「すごい怖いし、どうしよどうしよって不安な気持ちもあったが、この子たちのために自分たちも頑張らないとなって気持ちで、怖い中でも支えになった存在だった」
掛け時計や食器が落ちましたが、全員怪我はありませんでした。
父親 茶中亮太さん
「外にいったらみんな車で高台に逃げていく状態で、ニュース見たら津波来るから逃げろって。どうしようかと。逃げればいいのか、小さい子を連れてアパートに残ればいいのかって判断に迷ったし、避難所の方に『大丈夫ですか、ここは』と聞いたら、『ここは大丈夫だから、(家に)おりなさい』と言われて、何とかその日は乗り越えようかなと思ったんですけど、断水が起きてどうしようってなりましたし、赤ちゃんの水とか」
母親 茶中あかねさん
「出る分の水をためていたが、それもだんだん濁ってきて、赤ちゃんに使えるような状態ではなくなっていたので、このあとどうしようという感じで。母乳で育てていたので、出なくなったらどうしようとか」
その後、被害の少なかった亮太さんの実家に身を寄せました。