「家があって幸せやね…」

集落から約10キロ離れた氷見市中心部に暮らす桑原桂子さん(89)は地震の2週間後に息子の敏夫さんと2人で市が用意した応急住宅に身を寄せました。
桑原桂子さん
「あんたたちは幸せやね。家があって」
地震で桑原さんの自宅と倉庫が全壊し、市道をふさいだたため、4月に緊急解体されました。
桑原桂子さん
「明日このうち壊しに来るというたときに涙でた。一人で涙出た…」
応急住宅での生活もまもなく1年を迎えます。
桑原桂子さん
「3月になれば90歳。よくこれだけ生きたと思うわ」
桑原さんは年金暮らしで、家を建て直すのは難しいといいます。
市の家賃補助は残り約1年で、その後どこに住むのかは決まっていません。
桑原桂子さん
「今後のことばっかり考えとる。どこに住めばいいのかと思ってね。どこか玄関に置いてくれんかなと思ったり、自動車の中でも寝てればいいのかなと思ったり」
11月8日早朝、桑原さんの姿は倒壊を免れた自宅の納屋にありました。
桑原桂子さん
「眺めに来た。ここに住めばいいのかなと思ってもみたり」
地震後、体調を崩し遠出を控えていた桑原さん、5か月ぶりに姿地区を訪れました。
桑原桂子さん
「姿の虻が島。懐かしいわ。景色いいね。何とも言えんわ本当に」
亡き夫が建てた納屋は倒壊を免れました。
桑原さん親子は納屋を改修し姿地区に戻ることも考えていますが――
桑原桂子さん
「畳敷いてあるんやけど腐ってしまって。どこをどうすればいいか訳分からん。ここに住めるかね。行くところなければ寝るだけでもね」