65歳以上の4人に1人が “買い物弱者”に…
農林水産省によりますと、最寄りの店舗まで500メートル以上かつ自動車利用の困難な65歳以上を「食料品アクセス困難人口」と定義しています。この定義では、2020年時点の推計は全国で904万3000人にのぼり、65歳以上の人口の25.6%、高齢者の4人に1人が買い物に不便を感じているとみられます。
一方、富山市新庄地区の人口は約1万2000人、このうち65歳以上は約3200人です。単純に農林水産省のデータをあてはめると、新庄地区では約800人が買い物に不便を感じているといえそうです。
さらに、買い物支援が必要と思われる一人暮らしの高齢者は91人で、新庄地区の65歳以上の2.8パーセントにあたります。富山市全体の6.3パーセントに比べると半分以下ですが、住民一人ひとりにとっては日々の暮らしにかかわる深刻な問題です。
新庄くらし応援団会長 廣田憲彦さん:「きっかけとして地区内3500世帯にアンケートしたんです。日常の困りごとについては『買い物が不便』『買い物の代行サービスが欲しい』という回答が多かったんです。ほかにも『除雪の支援』や『災害時の支援や相談』に関することなどもありました。そこで、まずは毎日の生活の中の困りごとをなんとかしなければとの思いで、みんなで話し合って始めたんです」
買い物支援のスタートにあたって、担い手となるボランティアを募集しました。ただ、ボランティアは全くの無報酬であること、ガソリン代の負担、運転技量の心配、万が一の事故の対応などの不安はあったといいます。
スタートして4年がたちますが、これまでにトラブルは報告されていないということです。
現在は校下内4つのブロック合わせて16人がボランティアのメンバーとなっていて、利用者7~8人を持ち回りで担当します。ほぼ月に1度、担当することになります。
新庄地区自治振興会会長 菱田浩一さん:「まちなかは交通の便がいい、暮らすにも便利と思われがちですが、決してそうではありません。最寄りのスーパーまで200メートル以上あると、足腰の弱い高齢者によっては買い物の荷物を持って歩くことが、大変な負担になるんです」










