原発事故で一時全町避難になった福島県大熊町に、12年ぶりに戻ってきた学校「学び舎(や)ゆめの森」の新しい校舎が8月に完成し、2学期が始まりました。子どもたちの声が響く学校は、町の復興の大きな力になっています。

「おはようございます」

2学期の始業式に向かう後藤愛琉(あいる)さんと弟の琉清(りゅうせい)くん。

後藤愛琉さん(5年)「友達に会えるのがすごくうれしい」
琉清くん(1年)「楽しみです」

左から後藤愛琉さんと弟・琉清くん、母・仁美さん

後藤さん一家は、この春、避難先の猪苗代町から大熊町に戻って暮らしています。母親の仁美さんも、新しい就職先が決まりました。

母・仁美さん「決まりました。3つの会社が合わさった会社なんですが、すごくやりがいがあって、大変だけど楽しいです」

2人が到着したのは、新しい校舎。いよいよ2学期がスタートします。31人の子どもたち。新校舎に入るのは初めてです。

母・仁美さん「これから2学期はどんどん楽しいことがあるでしょうから、めいっぱい勉強したり遊んだりしてほしいなと思います」

「認定こども園」と「義務教育学校」が一体となり。0歳から15歳までが一緒に学ぶ「学び舎ゆめの森」。震災と原発事故で全町避難を余儀なくされた大熊町に、未来を担う子供たちが戻って来られるよう復興拠点の大川原地区に建てられました。

まずは、子どもたちにあるミッションが与えられます。

先生「一番ここがおもしろそうだという場所を1か所撮ってください」

子どもたちが校舎を探検し、お気に入りの場所を撮影していきます。クラスごとの決まった教室はなく、授業は、みんなで好きな場所を見つけて行われます。

愛琉さん「すごくきれいで広くて、図書館がすごく広いなと思いました」

本は、校舎の至る所にあり、その数は2万冊。

行き止まりのない作りが特徴の「ゆめの森」は、子どもたちの遊び心と探求心を刺激します。

琉清くん「なんかすごい。本がいっぱいあったり秘密基地がいっぱいですごい」

9年生(中学3年生)「広いと思いました。あと会津では見たことのない椅子とかがめっちゃ置いてあって、びっくりした。新しい形の学校だからめっちゃ面白いです」