8日の大雨で被害が集中した福島県いわき市の内郷地区では、事業所や店舗も大きな影響を受けています。自宅を兼ねた店舗で石材店を営む男性が、大雨の当時の状況と今後の見通しについて話してくれました。
いわき市内郷高野町の「高萩石材店」。すぐそばを流れる高野川がはん濫して、自宅を兼ねた店舗に水が流れ込みました。
高萩石材店・高萩邦彦社長「10分から20分の間にこの高さ(1メートル以上)です。これほど上がったのは、私も67年ここで生きていますけど初めてです」
いわき市で石材店を営む高萩邦彦さん。車を高台に移動させようとしましたが、9台中7台が浸水しました。
高萩さん「私は部屋にいたんですが、窓ガラスが水族館のようでした。すき間というすき間からは津波のように(水が)入ってきました」
水は家の中にあっと言う間に押し寄せ、畳や冷蔵庫が持ち上がったといいます。
妻の光子さん「畳を全部はがして、中の水を出して…臭いんですよね」
家に通じる道でがけ崩れがあり、一時孤立状態に。高萩さん一家が取った行動は「垂直避難」でした。
高萩社長「あきらめて避難しました、2階に。避難して、逆に2次被害にあうんだったら2階に避難した方が利口かなと思って、自宅2階で息子夫婦と過ごした」
今回の水害で、工場の重機や機械類も多くが水に浸かり、再開のめどは立っていません。
高萩社長「(事業再開の)まだ見通しは立たないですね、未定です。まず機械と道具をそろえるところからですね、スタートは」
高萩さんは、それでも、一部残った機械を使って石を加工し、来週から徐々に再開へ向けて動きたいと前を向いています。