3人目の証人 着衣越しに陰部接触と証言

3人目の証人は、被告3人の後輩にあたる陸上自衛官の男性。証言台に立つ際は被告側に目隠しがされ、検察からその理由を問われると「良い先輩だったので、顔を見ると正直に言えないかもしれないと思った」などと涙ながらに語りました。

【検察による証人尋問】
Q.208号室の構造は?
A.2段ベッドが8つ

Q.どうやって飲み会をしていた?
A.ベッドの間の通路にアルミボックスを置いてやっていた

Q.飲み会が始まるときは誰がいた?
A.被告Aと被告Bはいなかった。被告Cと元上司はいた。

Q.五ノ井さんは?
A.部屋の外のガスコンロでつまみを作っていた。

Q.五ノ井さんはその後どうした?
A.午後8時くらいに飲み会に加わった。

Q.被告Aはなぜ208号室に来た?
A.元上司らに乾杯をしに来た。

Q.被告Aと元上司らの会話はどんな話題?
A.柔道の話。「首を制する者は勝てる」と元上司が言った。

Q.その後どうなった?
A.被告Aが五ノ井さんに首ひねりという技をかけた。

Q.2人はどのような体勢になった?
A.両腕で五ノ井さんの後頭部を抱えるような、疑似セックスのような体勢

Q.具体的には?
A.正常位のような。

Q.どのくらいの時間?
A.12~13秒間くらい

Q.何か声は出していた?
A.「ウェーイ」などと言っていた

Q.陰部は着衣越しに当たっていた?
A.はい

Q.周りの様子は?
A.笑っていた

Q.その後は?
A.被告Bが来て、首ひねりをかけた

Q.着衣越しに陰部は当たっていた?
A.はい。

Q.そのとき何か言っていた?
A.言っていないと思う

Q.周りの様子は?
A.少し笑っていた。

Q.被告Cは見た?
A.見ていない

Q.証人はずっと208号室にいた?
A.いない。洗濯や喫煙、トイレなどで出ている。

Q.内部調査で「見ていない」と話したのはなぜ?
A.男性社会で、過激なトークは多くあった。女性を傷つけてしまったと今は後悔している。あと、先輩3人がかわいそうでかばった。

Q.検察に話そうと思ったのはなぜ?
A.自分自身が精神的に追い込まれ、早くこれが終わってほしいと思った。

Q.被告Aがやったことはなぜ話した?
A.被告A自身に「正直に話せ」と言われたから。

Q.被告Bは?
A.「俺はやってないよな?」と言われ、そう言ってほしいのかなとずっと思っていた。

Q.証人として出廷するのに、被告側に遮蔽をしたのはなぜ?
A.良い先輩だったので、顔を見ると正直に言えないかもしれないと思った。

【弁護側の証人尋問】
Q.内部調査には「五ノ井さんがセクハラを受けたのは見たことも聞いたこともない」と答えた?
A.はい。

Q.内部調査で「五ノ井さんがつらい訓練から逃れるためにされたことを大げさに言っている可能性がある」といった記憶は?
A.覚えていない。

公判の終了後、五ノ井さんは報道陣の取材に応じ「きょうは3名の方が証言してくださったが、最初から自衛隊の調査で同じことを話していただければ、こんなことにはならなかったと思う」などと話しました。

次回の公判は9月12日に開かれ、被告人質問が行われます。

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