猛暑と少ない雨で、ダムが深刻な水不足です。15日時点で、福島県内のダムの貯水率は、平均で33.2%まで低下しました。およそ2週間前の46.2%から大幅に低下し、平年も大きく下回っています。

まさに危機的と言える状況ですが、天栄村の羽鳥ダムでは18日、水不足から農業用水の供給を停止しました。

阿部正輝記者「天栄村の羽鳥ダムです。本来なら私が立っているこの場所も水の中なのですが、今年はそのはるか下まで水位が下がり、地面の露出が目立っている状況です」
羽鳥ダムは、周辺5市町村のおよそ1400ヘクタールに農業用水を供給していますが、今年は雨が少ないことや記録的な暑さの影響で深刻な水不足となっています。
18日時点の貯水率は、わずか16.8%。これ以上供給を続けると、ダムの底の土砂が流れ込んで水質が悪化するおそれもあるため、18日、水の供給を停止しました。
矢吹原土地改良区・佐藤幸一郎副理事長「本来であれば、この時期は水をたっぷり水田に供給したいが、残念ながら今回は果たせない」
水の供給が止まることで、コメ農家は頭を抱えています。

コメ農家・和田和久さん「茶色いもみ、これは空っぽ、実が入らない」
イネの生育のため、いまの時期は最も水が必要ですが、田んぼの土は乾き、ひび割れています。

和田和久さん「このままの天候でいけば、多分くずもみに回る。実が張らなくて粒が小さいからどうしようもない。雷雨でも降ってくれないかなという願いだけ」
当面はまとまった雨が降る見込みもなく、農業用水の供給が再開する見通しは立っていません。