コロナ禍から大きく変わった今年のお盆休み。人々がさまざまな葛藤を抱えながら過ごした時期から変わり、賑わいを取り戻しつつある夜の街。福島市にある小さなお店をカメラが追いました。

お盆休み最中の福島市内。気温27℃の蒸し暑い夜の街を多くの人が行き交います。

屋台村の一角に佇むのは、日本酒とワインが売りのバー・チョイス。

中には、4人の若い男性客の姿がありました。会話に耳を傾けると音楽の話で盛り上がっていました。

「マイヘア好きそう!だって顔がマイヘアだもんね!マイヘアイズバッド、クリープハイプだわ」

客・加藤大夢さん「こちらにいる2人は初対面で、話し始めて仲良くなっちゃった。こういうのが飲みの一番楽しいところですね」

初対面でも同世代の4人。ほどよくお酒も入り、会話が尽きることはありません。

客・阿部暉さん「本当にツッコミ上手いですね、ラップ向いていると思います」

タンクトップの男性は、福島市出身の阿部暉(ひかる)さん。今はプロのラッパーを目指し関東で活動していて、久しぶりの帰省です。そんな阿部さんは去年、人生の一大イベントを迎えていました。

阿部暉さん「今年の1月に結婚しました」

高校の頃、地元で出会った妻・雪那さんとの結婚です。交際が始まったのは2020年の1月。結婚までの3年間は、コロナに翻弄された3年間でもありました。

阿部暉さん「デートに行くにもマスクをしないといけない。密になるようなところは行けない。そうすると幅が狭まってしまって」

コロナ禍が過ぎたいま・・・。

阿部さん「新婚旅行もまだ行けていないし、結婚式も挙げていない。順を追って今からでも遅くないと思うので、やっていこうと思う」

店長・菅野幹さん「木曜日からずっと人は多い。コロナ禍からやっているので、コロナが明けてからの人の出が全然違う、すごい嬉しい」

会話が飛び交う「バー・チョイス」。店長をつとめる菅野幹(もとい)さんもその輪の中にありました。

菅野幹さん「(店を始めたのは)去年12月24日から。一人でやってみたいという気持ちがあったので」

この店のオープン前も飲食店で働いていて、コロナ禍で大きな影響を受けました。

菅野さん「街中、夜は本当に人が歩いていなかったし、もう終わりだと思ったこともあった」

賑わいを取り戻した夜の街で、1歩ずつ、着実に。

菅野幹さん「いろんな方に来ていただいて、こっちも楽しくお仕事させてもらっている。1日1日頑張って、精一杯営業して、お客さんに来てもらえるように頑張ろうと思う」