水の供給止まった棚田はいま

あれから1年。

大友さん「土手が全面的に抜けてしまったので、土を戻して法面を作ってもまた崩れてしまう。崩れないように『ふとんかご』と言われる石積みを設置した」

崩れたのり面は、今年5月に市が修復工事を行いましたが、今年大友さんは、この場所での作付けを見送りました。棚田全体を見ても今年の作付け面積は、例年の7割ほどに留まっているといいます。

原因の1つとされるのが・・・。

伊藤大貴記者「こちらの川から棚田へと水を供給していたということですが、1年たった今も水路は壊れたままの状態となっています」

壊れたままの水路

棚田の生命線ともいえる水路は当時のまま。復旧には数年はかかるといいます。現在は仮設のポンプを使って川の水をくみ上げ、何とか棚田を維持していますが・・・。

大友さん「ポンプを発電機で動かすということで、騒音が問題になるので夜間は動かせない。水が来ることは来るが不十分な状態が続いて生育にかなり影響が出ている」

コメの成長には欠かせない水の安定供給。現在は、水を十分に与えられない影響で稲の色づきや枝分かれ悪く、コメの生育は不良だといいます。

大友さん「水が来るだけありがたいが、堰(水路)が機能していたときのようにはいかないですね」

大雨がもたらした大規模な被害。1年たったいまもその痕は色濃く残っています。今年のコメの生育は不良で、大友さんは今年は例年の半分くらいしかコメがとれないのではないかと話していました。

これから、台風シーズンを迎えます。いつ起こるか分からない災害ですが、過去の教訓を生かした対策が今後求められると思います。