気がかりは「処理水放出計画」変わらぬ海アピールを

7月15日には海開きを控えていて、仲間とともにごみ拾いや草刈り、ライフセーバーの講習会を開くなど、着実に大会の準備が進んでいます。

地元のサーファー「海水浴に来たお客さんに満足してもらえるような海水浴場にしていきたい」

しかし、そんな吉田さんたちの気がかりが、『処理水を海へ流す計画』。

吉田さん「やっぱりここに住む者として心配な気持ちはある」

国と東京電力は、夏ごろまでに基準まで薄めた処理水を海へ流す計画です。吉田さんは、海洋放出の計画はもちろん、その後に起こり得る風評も懸念していて、サーフィン大会を通して、変わらぬ海をアピールしたいと話します。

吉田さん「風評で苦しんでいく可能性もあるので、サーフィンを通して福島はこんなに良い場所なんだということを発信していきたい」

海洋放出についてニュースが連日報道される一方で、来月のサーフィン大会の参加者はどんどん増えているそうです。実際、サーファーに処理水について話を聞いてみると…。

訪れたサーファー「いろいろな方面から本当に安全だというお話を聞いているので、心配なところはあるがそういうところを信じて海に入り続けようと思う」
訪れたサーファー「うーん…(海に入ることに)抵抗がないわけではないけど、好きなサーフィンを続けていこうと思う」

吉田さんにとって、サーフィン大会の開催は復興への思いだけではありません。サーファーの輪を広げる大切な場だと話します。

新型コロナの影響で家業のホテルで赤字が続いた時、吉田さんは仲間に助けられたといいます。

吉田さん「(サーファー仲間が)うまく旅行支援等を使って、少しでも売り上げの貢献をしてくれた」

今でもSNSで岩沢海水浴場のリアルタイムの海の状況を発信し、それを見たサーファーが県の内外から訪れています。

吉田さんが広げる波紋が復興という大きな波となり、この岩沢海水浴場は再びにぎわいを取り戻そうとしています。

吉田さん「処理水を流しても私はサーフィンはしますけど、将来これから生まれてくる子どもたちが安心して暮らせる環境を(みんなで)つくっていただきたいと思う」