東日本大震災で、福島県内の海水浴場は大きく変わりました。県内の海水浴場の利用者の数は、震災前は県全体で100万人以上が訪れていました。
それが、震災と原発事故があった2011年に0となり、その後、少しずつ回復傾向にはありましたが、新型コロナの影響で再び減りました。
行動制限が緩和された去年は8つの海水浴場であわせて17万4000人ほどが訪れましたが、それでも震災前には遠く及びません。

『福島の海にかつてのにぎわいを』と立ち上がった人たちがいます。福島の海をめぐる葛藤を抱えながら、この夏13年ぶりにサーフィン大会を復活させようとしている人たちを追いました。
吉田健太郎さん「朝起きてサーフィンに行って、波がよかった時は最高」
かつては有名選手も訪れ、大会も開かれるなど人気のサーフィンスポットだった岩沢海水浴場。ここも震災の津波の被害が大きく、長く閉ざされていました。

あれから12年かけて復旧が進み、去年海開きが行われるなど復興の波が広がり始めました。いま、この海に『さらなるうねりを』と奮闘するサーファーがいます。
吉田健太郎さん「ビーチも広いので、他のポイントとは違った魅力がある」
波を自在にのりこなす広野町出身の吉田健太郎さん。毎日、岩沢海水浴場を訪れ、仕事前の波乗りが一日の始まりです。

吉田健太郎さん「技を磨くということにはまってしまってずっと続けている」