助産院で行う「宿泊型」産後ケア
佐藤さん電話「かしわ助産院の佐藤です。どうされましたか?そうなんですね。おっぱいが痛い、上手に吸ってもらえないという感じなんですね」

西郷村にある「かしわ助産院」。
出産は扱わず、産後の女性を支援する施設として、産後ケアなどを行っています。
「産後ケア」とは、出産後1年以内の女性を支援するもの。
市町村が主体となって、助産院や病院などで精神面や授乳のケア、育児の相談などを行います。
国と市町村の補助があるため、利用者の自己負担額は、1割ほどに設定されていることが多く、全国的にみても料金は低めに設定されています。

また、産後ケアには、スタッフが自宅などを訪問する「家庭訪問型」、施設に数時間滞在する「デイサービス型」、産後の母子が宿泊する「宿泊型」の3つがあります。

助産院の「宿泊型」は病院で行うものよりも、より密にコミュニケーションを取ることができるのが特徴です。
しかし、「宿泊型」を行う助産院は、県内にはかしわ助産院を含め、わずか4か所しかありません。

助産師の佐藤さんは、子どもの夜泣きをはじめ、夜にしか現れない行動に悩む女性も多いと言います。
かしわ助産院・佐藤富美江院長「宿泊してケアをしないと支援できない部分があるなっていうところもあって、必要なのかなっていう風に感じました」

こちらでは、部屋にテレビを置かず、畳の上には布団が敷かれていて、母親がゆっくり休める部屋が用意されています。
佐藤さん「ゆっくり休んでいただきたいし、産後はできるだけ目を使わないほうがいいので」
実際に利用した女性は・・・
産後うつを経験した人「赤ちゃんのこともよく見てもらえるので、赤ちゃんのいいところを教えてもらえたりして元気になる感覚みたいなのが自分の中ではあって、これで良いんだなっていう気持ちが少し芽生えた」
ゆっくり休む暇もなく、“24時間労働”とも言われる育児。
佐藤さんは、「産後ケアを気軽に利用してほしい」と話します。
かしわ助産院・佐藤さん「お母さんたちの“伴走者”みたいな、気軽に何かあったら話聞きたいなとか相談にのってもらおうかなみたいな、そういう風に助産院を活用してもらえたらすごくうれしいなって思います」
誰もが受けられる「産後ケア」。母親に寄り添う取り組みがありました。

助産師の方は「産後の人はもちろん、これから出産を控えている人も気軽に利用してほしい」と話していました。
産後ケアは市町村によって料金や条件が違いますので、各市町村のホームページで確認してみてください。