震災の記憶を次の世代へ 言葉と音楽の力
♪「またここへ戻る 丘という場所へ そして鳥になったまま戻ってこない人々を想う」
和合さんが書いた歌は、いま、震災を知らない世代の中高生に歌い継がれています。日大東北高校の合唱部は、3月に行われる全国大会への出場を決め、大会の最後には『夜明けから日暮れまで』を全体合唱します。震災当時、まだ幼かった高校生たち。覚えていることはほとんどありません。

日大東北高校合唱部・中尾実歩さん(2年)「当時は3歳でした」Q.何か覚えていることは?「何も覚えていないです」
日大東北高校合唱部・鈴木奏人さん(1年)「誕生日が3月なので(震災の時は)1歳くらい。記憶は全くなくて、親や周りの人から聞いたりしていたけど自分ではわからない」
日大東北高校合唱部・佐々木美香部長(2年)「うっすら覚えていて、お母さんに抱きしめられて暗かったのを少し覚えている」
日大東北高校合唱部・成瀬鮎見教諭「新しい命がまた芽生えてくる、命の再生を表現されていると思うんです。ぐるりぐるり回りとか」
当時の記憶がほとんどない高校生たちが歌う『夜明けから日暮れまで』。震災の記憶が、歌を通して世代を超えてつながります。

♪「あなたは風になって ぐるり旅をして回り」
日大東北高校合唱部・金田煌史さん(3年)「自分たちがやっている合唱を通して、東日本大震災があったこととかをこの曲の由来などともに広めていけたら、震災のひどさやどんなことがあったのかを知ってもらえると思う」
日大東北高校合唱部・中尾実歩さん(2年)「全国の人と一緒にこの曲を歌えるので、みんなの想いを繋ぐという意味でもとても楽しみにしていた」
日大東北高校合唱部・鈴木奏人さん(1年)「(震災を経験している人と)僕の年代で震災が記憶にないという人たちと、2つに分かれてしまう。2つの人たちが一緒に何かをしてつながれる機会があれば、震災への興味を持って新しいことに取り組めるのかな」
作詞をした和合亮一さんは、この歌が、震災の記憶を継承する力になると信じています。
和合さん「風化というのはわたしも常々感じることで、実際福島で暮らしていて一番大きな問題のひとつとは思っているんですけど、言葉と音楽の力はそれをひとつの箱に閉じ込める、閉じ込めて渡すことができる力を持っているという風に15年の歳月の中で感じてきた。それは私が考え抜いてたどり着いたことではなくて、この歌を歌ってくださるみなさんにいつもいつも感じること」

♪「海を行け 風を行け 雲に追われ 空を追って 舟よ銀河を背負い 海原に帆をかかげよ」
声楽アンサンブルコンテスト全国大会は、福島市のふくしん夢の音楽堂で、3月19日から23日まで開かれます。













