高齢ドライバーによる相次ぐ事故。
福島県警によりますと、県内には10月末時点で65歳以上の高齢ドライバーは36万人以上いて、ドライバー全体の28.7%、およそ3割を占めています。


高齢者の免許返納が進まない背景の一つに、「交通弱者」の問題があげられます。高齢者が免許を返納したあとも、買い物など生活の交通手段を支援する取り組みが、県内でも進められています。

■「免許返して足がない」買い物客に「会いに来る」スーパー

福島市の瀬上町。住宅の前に軽トラックが止まりました。


扉を開けると、そこには食料品や日用品がぎっしりと積まれています。


これは、福島市に本社を置くスーパーのいちいが行う移動スーパー「とくし丸」です。
「きょうみかん安いのかな?」「みかんは380円」


軽トラックには、およそ400品目1000点の商品があり、週に2回、要望があるお客さんの自宅を訪問し、商品を販売しています。


Q.たくさん買われますね?
利用者「特売日だと安くなるから。免許を返したから足がない。最初はスーパーまでリュック背負って通ったけど大変。」


利用者「スーパーはここから歩いて片道15分。『とくし丸』は車ない人にはいいと思う」


いちい とくし丸事業部・鈴木康雅さん「最近特に多いのは、免許返納したのでぜひ家にも来てもらえないかという問い合わせが多くなっている」


「とくし丸」は、2012年に徳島県で創業したビジネスモデルです。

県内では、提携先の「いちい」の商品を使い、個人事業主のドライバーが販売の代行を行います。


とくし丸販売員 阿部正晴さん「曜日によってお客さんの買い物が変わるので、そのお客さんがいつも買われるようなやつですね。『この方はこれ買うんじゃないか』というのは思い浮かべながら選んでいる」


いちい とくし丸事業部・鈴木康雅さん「『とくし丸』は利益を追及するわけではなく、福祉的な要素からスタートしている。できれば1店舗に1台ではなく、2台3台と増やしていって、ご利用になる人に活用してもらいたい」