「お前も汚い」カナダで言われて…

栃木県出身の大島さん。福島県内の大学在学中に、授業で訪れたことが、川内村と関わるきっかけでした。大学卒業後はクラフトビールの会社や蒸留所で酒づくりを学び、去年11月に待望の蒸留所をオープンしました。元々、薬局の倉庫として使われていたこの場所。大島さんは、縁を感じています。

大島さん「ジンも昔、薬として(ヨーロッパで)生まれたお酒ですし、もともと薬屋の倉庫だった場所でジンを作るというシンパシーを感じた」

人と自然が共生する生活に加え、村の面積の9割を占める山林や、豊かな地下水が、ジンを作るのに、適した場所だったと言います。しかし、これまで川内村で、蒸留酒を作る文化は、ありませんでした。一歩を踏み出した背景には、大学生のときに訪れたカナダでかけられたある言葉がありました。

大島さん「『(住んでいる場所は)福島というところだよ』と話をしたら(同僚の)顔色が変わってしまって『そんなところ人が住めるのか、お前も汚い』と言われてしまった。原発事故が起きたこと以上に大きな、もっとこんな面白いことがあるというのが、自分から言えるものがなかった」