東京電力福島第一原発事故で福島県浪江町の住民およそ700人が国と東京電力を訴えた裁判が和解したことを受け、30日、東電が原告に謝罪しました。

この裁判は浪江町の住民が集団で申し立てていた和解案を東電が拒否し、手続きが打ち切られたことを受けて始まったもので、今年3月に東電との間で和解が成立しました。

和解を受け東電は30日、福島復興本社の秋元展秀代表が、集まった原告およそ70人に謝罪しました。

東電・福島復興本社秋本展秀代表「大変なご迷惑とご苦労、混乱を招いたことに対しまして、心から深く謝罪をいたします。大変申し訳ありません」

原告団長・鈴木正一さん「言葉だけの、考えるだけの『被災者に寄り添う』はもう、たくさんです。ふるさと浪江町の復興事業の執行で、私ども原告団と浪江町民に原発事故の加害者としての罪を償ってください」

このあと、原告側は浪江町の再生や復興に向けた取り組みや安全性を軽視する体質を改めるよう求める要請書を東電に手渡しました。

これに対し東電は「引き続き町民の帰還と地域の再生、復興に向けた取り組みを進める」などとしています。