SBIホールディングスと台湾の半導体大手などが宮城県大衡村に8000億円規模の投資で建設を予定している半導体工場について、14日、準備会社と県、村の3者で立地協定が結ばれました。村井知事が「県内総生産10兆円を継続的に維持できる」と述べるなど経済効果に期待が高まる今回の半導体工場誘致。専門家も「経済効果は極めて大きい」としつつ「経済資本の一極集中」に懸念を示しています。
七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友首席エコノミスト:
「おそらく(県内の)GDPでいうと1%以上の伸び、押し上げる効果はあると考えられる」

地域経済に詳しい専門家は、工場誘致による経済効果を「極めて大きい」と指摘。特に働き手として県内に来る人たちがもたらす効果に期待を示しています。
七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友首席エコノミスト:
「色々な意味で活気が増す。活気が増すことが経済活動を活性化するし、派生需要としての個人消費、住宅需要といったものも拡大する」
宮城に先行して別の半導体工場の建設が進む熊本県菊陽町では、今年、路線価が19%上昇し全国2番目の伸び率となるなど住宅需要も増しています。

また専門家は、学生の県外流出を防ぐ一手にもなると話します。
七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友首席エコノミスト:
「(宮城は)上場企業が少ないということがあって、若い人の雇用の受け皿、就職先としてやや魅力に欠けていた。今回のような半導体のグローバル企業が来るということは学生の就職先としても非常に魅力が高い」
一方で、一極集中による懸念点も指摘します。
七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友首席エコノミスト:
「ヒト、モノ、カネ、いろいろな経済資源がそこに集中してしまうということで、今でも人出不足と言われている県内の労働市場だが、これでますます人手不足が加速して、県内のほかの企業で仕事が続けられなくなるくらい人材が確保できなくなるということ懸念されている。グローバル企業は利益第一で来ているが、それに食らいついていく、派生需要を拾っていく貪欲さでこの大きな需要を取り込んでいきたい」

懸念点はあるものの県内の経済活性化につながると期待される半導体新工場の建設。今後の動向に注目が集まっています。