たどり着いた特別養子縁組

啓子さんは普段、公園で地域の子どもたちに遊び場を提供する活動をしています。もともと子どもが大好きでしたが、不妊治療の末、赤ちゃんを授かることは難しいとわかりました。悩んだ末、たどり着いたのが特別養子縁組でした。

佐々木啓子さん:
「自分が産みたいのか、血が繋がらなくても家族をつくりたいのか、というのがあって、自分は子どもを育てるというのもあきらめきれなくて、違う道がないのかなと探したところ、特別養子縁組を知った。こうやって私たちは何の心配もなく親子で生きていけるので、大切な制度をつくってくれたと思っています」

年間500組前後が成立していると言われる日本の「特別養子縁組」。普通養子縁組と異なるのは、裁判所での審理を経て「養子」ではなく戸籍上も「実の子ども」となる点です。実の親子関係は生涯に渡って続く一方、元の親との関係は解消されます。

元の家庭では、経済的事情や未成年での出産といった育児が難しい環境にあることが多く、この制度は、子どもが生涯にわたり安定した家庭を得ることができるとして、国が普及に力を入れています。

実はこの制度、今から50年前、石巻市から創設の動きが始まりました。