旧優生保護法のもとで不妊手術を強制されたとして、宮城県内に住む男性2人が国に賠償を求めている裁判で、仙台地裁は旧優生保護法を憲法違反だとして、一人あたり1650万円を支払うよう国に命じました。全国で起こされている同様の裁判で、国の賠償責任を認めた判決は5例目です。

この裁判は県内に住む70代と80代の男性2人が、旧優生保護法のもと知的障害を理由に不妊手術を強制されたとして、国に対し1人あたり3300万円の損害賠償を求めているものです。

70代の男性は1967年に、80代の男性は1952年に不妊手術を受けていて、裁判では不法行為から20年が経過すると損害賠償を請求できる権利が消滅する除斥期間が適用されるかが焦点となっていました。

6日の判決で、仙台地裁の高橋彩裁判長は「法的に差別的取り扱いをする旧優生保護法は憲法違反だ」と指摘しました。その上で、除斥期間については「20年の経過によって損害賠償義務を免れるのは著しく正義・公平の理念に反する」として、国の責任を認め原告1人あたり1650万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。旧優生保護法を巡る同様の裁判で、国の賠償責任を認める判決は全国で5例目です。

原告の80代男性:
「これから胸をはって堂々と仕事を頑張るつもり」

判決後に記者会見した原告側は時の壁を越えて国を免責してはならないということが確実に定着したと今回の判決を評価しました。その上で、政府に対して控訴しないよう求めました。