絶滅の恐れがある野生生物の国際取引を規制するワシントン条約に、ヨシキリザメが対象として加えられることが、11月の条約締約国会議で決まりました。この決定にサメの水揚げ日本一を誇る宮城県の気仙沼では、今後の漁について不安が広がっています。
水産庁は16日、気仙沼市で地元漁協や水産加工会社などを集めた説明会を開き、ワシントン条約の締約国会議の決定について説明しました。

ヨシキリザメは高級食材、フカヒレの原料で気仙沼港の水揚げは、今年は6102トンと国内のおよそ8割を占めています。

今回の締約国会議では、ヨシキリザメを含むサメ類54種が「取り引きを規制しないと絶滅の恐れがある生物」に追加されました。これにより輸出するためには政府の許可書が必要となります。
説明会では、参加者から「今後、どのように規制されるのか心配だ」などといった意見が出されました。
気仙沼遠洋漁業協同組合 鈴木一朗組合長:
「当面すぐに影響はないと思っている。ただ将来的に条約に掲載されたことがマイナスのイメージになってくることは間違いない」

水産庁漁場資源課 金子守男生態系保全室長:
「できる限りこれまでの輸出が影響を受けないよう円滑化、簡略化して、滞りなくこれまで通りヨシキリザメが取り引きされるよう努めていきたい」

今回の決定の効力が生じるのは1年後からですが、政府は、規制を受け入れない「留保」をする方針です。ただし、輸入する国が受け入れた場合は、許可書を求められる可能性があり、サメの取り引きの縮小も懸念されます。








