与党は16日、「防衛増税」の具体策を盛り込んだ税制改正大綱を決定し、東日本大震災の復興予算にあてる「復興特別所得税」の一部が転用される形となりました。
この税の見直しについて被災地からは「復興には終わりがなく削られるのは不安」などとの声が聞かれました。
「復興特別所得税」とは、2013年から2037年までの25年間、所得税に2.1%上乗せされ、7.5兆円が確保されることになっています。
しかし、税制改正大綱では2024年に「復興特別所得税」を1%引き下げて、1.1%とし、その分の1%を「防衛目的」に使う新税とします。所得税に上乗せされる2.1%は変わっていませんが、そのうちの1%が「防衛目的」になるため、復興のために確保していた税金が減ってしまいます。そのため、足りなくなった分、「復興特別所得税」を最長13年間延長して確保するとしています。つまり、長い目で見れば増税されます。

自民・公明は16日、防衛費増額の財源確保のための増税策を盛り込んだ税制改正大綱を正式に決定しました。
自民党 萩生田光一政調会長:
「総理が防衛費をNATO並みのGDP比2%程度にしっかり確保すると決断し、両党がしっかり応える形が出来たのではないか」

この中で、復興特別所得税の税率を1%分を転用する形で、防衛目的の新たな税を新設します。復興財源は、課税期間を延長することで賄い、総額を削るわけではないと説明していますが、被災地の反応は?
石巻市民:
「とんでもない話。被災地としては復興予算を削って防衛費に使うのは間違っていると思う」

「復興特別税の期間は終了した上で、その後は国会の中で決めてほしい」
気仙沼市民:
「復興と言っても終わりがないので、(財源を)削られるのは、不安もある」

防衛増税を巡っては、与党内部にも慎重論があり、増税の具体的な開始時期は来年改めて議論することとなり決定が先送りされました。







