カンボジアで特殊詐欺に加担させるため10代の男性を連れ出した罪に問われている男の初公判が、23日に仙台地方裁判所であり、男は起訴内容を一部否認しました。

所在国外移送目的拐取の罪に問われているのは、仙台市宮城野区の自営業・高橋卓冬被告(23)です。

起訴状などによりますと、高橋被告は、知人の10代男性をカンボジアで特殊詐欺に加担させるため「3日間くらいで何びびってんだ。行き先は韓国。金を買ってくるだけでいい」などと、行き先を偽って脅し、7月3日に新幹線で仙台駅から東京駅まで連れて行った罪に問われています。

23日に仙台地方裁判所で開かれた初公判で、高橋被告は、カンボジアに連れていく目的で連れ出したことについては認めたものの、特殊詐欺に加担させることや脅したことについては「直接しゃべっていない」などと起訴内容を一部、否認しました。

弁護側も国外に移送する目的は争わないとしたうえで、特殊詐欺に加担させる意図はなかったなどと主張しました。

検察側は、冒頭陳述で高橋被告が暴力団の構成員だったことを明らかにし、2023年頃から「かけ子」を紹介する役割を担っていたと指摘。被害者が金銭トラブルを抱えていたことを知り、特殊詐欺のかけ子に加担させようと考えたと述べました。