2026年1月13日から課税開始とすることで最終調整に入った宮城県と仙台市の「宿泊税」についてです。観光客や観光関係者、宿泊事業者の受け止めや県と仙台市の今後の対応を取材しました。

多くの観光客でにぎわう日本三景・松島。2026年1月13日からの課税開始で最終調整の宿泊税について訪れた人はどのように考えているのでしょうか?

北海道からの観光客:
「施設の更新とか街並みの美化に生かせるなら、大いに取った方がよいと思う」
関東からの観光客:
「今はいろんな所で(宿泊税の導入は)多い。とってもらってもよい」
関西からの観光客:
「3000円とか言われたら、えっと思うけど、300円なら」

松島で観光船を運航する業者は税収の使い道について「観光地の多言語化を進めてほしい」と話します。

松島島巡り観光船企業組合 高野裕太理事:
「外国の人も増えてきているので、他の観光地だと外国語の案内に力を入れている。英語だけじゃなくて、他の言語も追加してほしい」

阿部航介記者:
「県内有数の観光地・松島。平日のこの時間、観光客のほとんどが外国人です」

東北運輸局によりますと、2024年、宮城県内に宿泊した外国人の数は76万9540人と過去最高となりました。
しかし、案内板などは日本語と英語のみのものが多く、多言語化が進んでいるとは言えない状況です。

日本に暮らす中国人:
「中国の人、(松島では)中国語が少ししかなくて分からないことが多い」
台湾の観光ガイド:
「(Q:(案内板などが)多言語化していないのはどう思うか?)だからこういうガイドが必要なんだと思う。あれば助かる」
日本に暮らすアメリカ人:
「美しい景観や安全性のためには高すぎるとは思わない。良い国」

宿泊事業者からは、さらに時間をかけてスタートすべきという声も...
宮城県大崎市の鳴子温泉郷。多くの旅館などが宿泊税に反対してきました。

創業80年あまりの「いさぜん旅館」です。
3代目の砂金博之さんは「県と宿泊事業者との協議が不十分でもっと時間をかけるべき」といいます。

いさぜん旅館 砂金博之社長:
「1月のスタートはまだまだ早い。説明、議論、納得それが全て」

また、税導入に伴う新たなレジのシステムが大きな課題と指摘します。

いさぜん旅館 砂金博之社長:
「2026年1月のスタートだと、大きなホテルや旅館はすでに予約が入っているはずなので、そのへんはどうなのか。宿泊事業者の話を吸い上げてからやるべき」

今後も説明会などで、県に納得できる説明を求めることにしています。

いさぜん旅館 砂金博之社長:
「まだまだ、宿泊事業者と県との間にはまだまだ隙間風がある」

ところで、2025年度宿泊税によって得られる税収について、県は3億7000万円、仙台市は3億1100万円を見込み、2025年度当初予算に盛り込んでいました。

ただ、いずれも2025年11月頃の課税開始を想定して試算していたため、開始時期が、2026年1月となれば税収は想定の半額以下に留まる見通しです。税収は、観光振興施策に活用すると説明しています。

また、県と仙台市は、徴税事務を担う宿泊事業者への負担軽減策として、納入額の最大3.5%としていた交付金について、さらに定額で毎月1000円を上乗せする方針です。

さらに「観光振興協力金」を創設し、税の徴収時に観光施策や宿泊税の使い道の周知に協力した宿泊事業者に対し、納入額の2.5%を交付します。