コメの価格高騰を受けて放出される政府の備蓄米について、農林水産省は14日、初回の入札で14万トン余りが落札されたと発表しました。ただ専門家からは「放出の判断が遅くコメの価格が落ち着くかどうかは疑問」との指摘も出ています。
農林水産省は14日夕方、放出する備蓄米の入札について、初回分として14万1796トンが落札されたと発表しました。落札額は60キロ当たり税抜きで2万1217円でした。

江藤拓 農林水産大臣:
「これだけの量がマーケットに出れば、需給は一定程度改善されて、消費者にも理解してもらえるような結果が生まれるのではないかと期待している」
今回落札された備蓄米は、早ければ3月中にもスーパーなどの店頭に並ぶ見通しです。ただ、今回の放出について専門家は「判断が遅すぎた」と指摘しています。

宮城大学 大泉一貫名誉教授:
「備蓄米の放出によって価格が落ち着くかどうかは少々疑問に思っている。もし落ち着かせるとしたならば、昨年の8月くらいにもう既に放出したほうがよかったと思っている。この放出が高止まりを少し抑える可能性はあっても、米価をそれによって下げられるかというとそれは少々疑問だと思っている」
政府は、コメの価格高騰を受けて2025年1月に備蓄米放出の方針を示しましたが、それ以降もコメの値上がりは続いていて、市場への放出で価格が安定するのか注目されます。