「150人が1列で下山」崩れた想定

学校は、5クラス約150人がまとまって1列に並んで歩くと想定していた。
「ガイドは3人で足りていると考えた。(担任以外の)級外教員が列を行き来しながら、ペースが遅い児童に対応する予定だった」と宮川力校長。その想定は、宝永第二火口縁で昼食を取り、下山を始めた直後に崩れ始めた。

児童らが昼食を取った「宝永第二火口縁」から下る道は、ルート最大の急斜面

当時、児童の先頭を引率していたガイド加茂好清さんが振り返る。「体力差がある。元気な子は走って、慎重な子はゆっくり。ここからばらけ始めた」ルートの中ほどにある分岐「御殿庭下」。加茂さんらガイドは、初めに遭難した児童4人は、ここで道を間違えた可能性が高いとみている。

初めに遭難した4人が道を間違えた可能性がある分岐「御殿庭下」

日暮れ前に発見された児童4人が迷ったとみられるのが、ルート後半の分岐「須山上り一合五勺」。

「須山上り一合五勺」の分岐で当時の様子を振り返る加茂さん

この分岐からゴールの駐車場に向かうとまもなく、突如道が途絶えたと感じる場所があった。加茂さんは「4人はここまで来て道がないと思い分岐点へ引き返し、ルートを外れた可能性がある」とみる。

「須山上り一合五勺」を過ぎてまもなく、記者が「道が途絶えた」と感じた場所

「分岐で道が分からなくなったら座って待ってて、最後尾のガイドらが後ろから必ず来るからと。今回の場合はそれをあらかじめ全員に伝えていれば、8人が遭難することはなかった」と悔やんだ。