「逃げることは決して悪いことじゃない」日本語学校が居場所に…

近江:小さいときにそういう経験をするって、大きな傷になると思うんですけども、そんな中で春香さんを支えてくれたものだったりはありますか?
春香:そうですね、学校に相談しようとしたことがあったんですけれども、ホームルームで手を挙げて、先生にみんなの前でこういうことがあるんですっていうふうにいったんですけど、そこではいじめた子に「先にそういうこといってくれればよかったのに」って言われてしまったので、なんかもう閉ざされてしまったような気がしたんですね。
それがすごくつらかったんですけど、その代わり、家でも勇気を出してもう1回打ち明けたら、家族は全面的に味方になってくれました。味方になってくれる人がいたっていうのはすごく大きかったです。
近江:そのときは、日本人のお父さんともコミュニケーションをかなり取りましたか?
春香:そうですね。コミュニケーションも取りましたし、日本語学校にも当時通っていたんですね、週に1回。そこで日本語文化というか、普段の学校と違う環境に身を置けるっていうのも大きかったです。日本語学校には幼稚園からずっと通ってたんですけど、そこは、自分にとって、もう一つの居場所みたいになってたんで、現実逃避になってましたね。なんか、やっぱり一つ辛い場所があったときに、もう一つ何か心のよりどころにある場所っていうのは、必要ですね。もう何でもいいと思うんです。私はたまたま日本語学校があったんですけれども、本当に趣味とかでもいいと思いますし、何かもうアニメとかゲームとかそういう世界とかでもいいと思います。
逃げ場があるってのは大事だなと思います。逃げることは決して悪いことではないということだと、強く思います。