7月5日は静岡県の川勝知事にとって、ちょうど4期目の任期の折り返しの日にあたります。ボーナス返上問題だけでなくリニア新幹線の工事など、さまざまな問題を抱える知事を、県議会の会派などはどう評価しているのでしょうか。

<川勝平太知事>
「この試みは基本的に人を助ける。利他、それが自分の幸せになる」

5日朝、中部4県の物産展のセレモニーに笑顔で出席した川勝知事。

<川勝平太知事>
「みんなが喜んで、人を喜ばして、自らも喜ぶ、それがきっかけ」

しかし、自らをめぐっては喜んでいられない問題を抱えています。

<県議会総務委員会 伊藤謙一委員>
「報酬が返還されなかったという報道を目にした。知事を支える事務方としてコミュニケーションは問題なかったのか」

5日の県議会総務委員会。委員が指摘したのはボーナス返上問題です。

<知事戦略局 川口茂則秘書課長>
「事務方としてこの件について積極的に進言することはできていない。この点は適切なタイミングで、ということで配慮が足りなかったと反省している」

川勝知事はいわゆる「コシヒカリ発言」をめぐり、自らに課すペナルティとしてボーナスや給与あわせて440万円ほどを返上する考えを示していました。しかし、実際は返上していなかったことが判明。この問題について知事は…。

<川勝平太知事(7月4日)>
「『給料の返上によってケリをつけたら思ったら間違いだ』と『そういう形でケリをつけさせないんだ』という動きがあったので、そうせざるを得なかった」

知事は、職務を全うすることで責任を果たすとしています。

こうした問題が浮上する中、川勝知事の4期目は任期の半分を消化しました。その政治姿勢を県議会はどう評価しているのでしょうか?

<県議会最大会派 自民改革会議 増田享大代表>
「コロナもあった期間がかぶるので、県民も非常に大変な時期を過ごしての2年目だと思うが、最近あまりいいニュースが静岡県から出ていない。今回もいい話ではない。静岡県として得はなくて、ちょっとむなしい」

<県議会第2会派 ふじのくに県民クラブ 田口章会長>
「総合計画は着実に進ちょくしているので、一定の評価はできる。きちんと県民の皆さまに分かりやすく説明する姿勢は必要」

静岡の地方行政に詳しい専門家は。

<静岡大学人文社会科学部 井柳美紀教授>
「県庁内の意思疎通が十分できてなかったり、リニア問題でも流域自治体の首長とのコミュニケーションが十分取れていなかったりで、いろいろな声に耳を傾ける、世論を味方につけて進めていくことが必要なのでは」

停滞するリニア問題も含め、自身の発言に責任ある行動を示せるのか、知事の姿勢が問われます。